砂蜥蜴と空鴉

ひきこもり はじめました

コドク岬

2004年03月23日 | ログ
コドク岬に船は来ない

それはこの岬から身を投げた女の呪いだとも言われているし

この地方独特の「もがき嵐」のせいだとも言われている

そんなコドク岬に少女が一人住んでいた

少女も岬と同じく一人だった

いつからとも知れず少女は岬の一番先に小さな小屋を立て

毎日毎日、船が来るのを待っていた

だがコドク岬に船は来ない

毎日、毎月、毎年

いくら待っても船は来なかった

少女は女になり、老女となった

そして老女は死ぬ間際

老いた体を必死に動かし 小さな石の塔を作った

そこにありったけの油をかけて火をつけた

石の塔はゆっくりと燃えた

老女はそれを満足げに眺め

少女の笑顔で死んだ

機械達磨

2004年03月22日 | ログ
手と足はない

手足のないアンドロイド

通称「機械達磨」

何故、手と足がないのか?

「機械による反乱の防止」

急激に進化する鉄の人間

それは彼ら生の人間にとって少し怖いことだったんだと思う

もちろん反対意見も起こった

だが結局怖がった人の意見が通った

僕等の製造は厳しく制限され

全てのアンドロイドは達磨になった

一匹と一羽の宗教

2004年03月22日 | ログ
蜥蜴:唐突だが宗教を開きたい

空鴉:ホントに唐突だな

蜥蜴:俺には最近の事件は全て宗教のせいだと思うのだよ

空鴉:いやそれは飛躍しすぎだろ!!

蜥蜴:そうかな?

空鴉:思わせぶりな感じを出しても事実は変わらねーよ

蜥蜴:ち・・・・応用力のないヤツ

空鴉:基礎が全抜けなのも考えものだが

蜥蜴:しかしイラク問題やオウムなど宗教は未だに我々の生活に関わっているのは事実

空鴉:それはまぁ、そうだな

蜥蜴:更に最近の凶悪事件が「信じるべき対象の喪失」つまり宗教を持たないが故の凶行だと考えればあながち私の意見は間違っていまい

空鴉:・・・・言い訳と屁理屈だけは得意だな、お前

蜥蜴:ありがとう

空鴉:褒めてねーよ

蜥蜴:照れるなよ

空鴉:・・・・まぁいい、で、それとお前が宗教作るのと何の関係があんだよ?

蜥蜴:私が教祖となり皆を救ってやろうと思ってな

空鴉:目的は立派だが台詞は傲慢だな

蜥蜴:照れ隠しだ

空鴉:それ違う

蜥蜴:まぁ話を戻すがこの宗教は今までにない画期的な宗教だ

空鴉:始めの言葉からして胡散臭いな。通販かよ

蜥蜴:ふ・・・・いつの時代も救世主は異端扱いされるものだ

空鴉:異端というより論外って感じだが・・・・で何て名前の宗教なんだ?

蜥蜴:田中教だ

空鴉:はぁ?

蜥蜴:だから田中教だよ。田中教

空鴉:いや二度言われても脳が受け付けないんだが

蜥蜴:どこの近所にもいるだろ。野球の得意な田中、遅刻する田中、その田中だよ

空鴉:はぁ・・・・?

蜥蜴:教義は一人でも多くの人間の苗字を田中にすること

空鴉:それに何の意味があるんだよ・・・・

蜥蜴:逆らうヤツは皆殺し!!

空鴉:いきなり宗教の悪いとこ出すな!!

蜥蜴:世界平和の為だ

空鴉:何で苗字統一が世界平和だと信じてる目なんだ!?

蜥蜴:違うのか!?

空鴉:当たり前だ!!

蜥蜴:・・・・何てこった

空鴉:本気だったのかよ

蜥蜴:理想の田中ワールドが

空鴉:ひどく限定された世界観だなソレ

蜥蜴:クソッ・・・・やはり鈴木には勝てないのか!?

空鴉:根本的に悩む所が違う

蜥蜴:山田か?

空鴉:苗字から離れろよ!!

蜥蜴:なるほど逆転の発想か

空鴉:ごくごく一般的な発想だよ

蜥蜴:世界平和への道は遠いな

空鴉:・・・・なぁ

蜥蜴:ん?

空鴉:今思ったんだけどさ

蜥蜴:どうした?

空鴉:お前の苗字田中じゃないじゃん




蜥蜴:・・・・・・・・・・・・・・・あ。

電波教

2004年03月21日 | ログ
電波教はこの星で最初に生まれた宗教だと考えられている

彼らは20才を迎える「老人」に敬意を評しその身体中を鉄の棒で貫き神聖な王として崇めたという

王となった者は貫かれたまま三日三晩かけて祝われた後

三日三晩世界中から発信される電波を受信し朽ち果てた

民はそれを三日三晩かけて悲しみ

また新たな王を求めたという

この宗教的行事は50年ほど前の「科学宗教革命」まで続けられたが

現在のように電波の人への悪影響が認知されてからは

身体中を鉄柱で貫きその横でラジオをかけて祝う方式に変化していった           

「五分で分かる世界の宗教」
                             

始まりは山賊から

2004年03月11日 | ログ
蜥蜴:で、いきなりRPG世界な訳か

空鴉:唐突ですねー

蜥蜴:っていうか目的もなしにいきなり放り出されてもねぇ

空鴉:まぁ魔王とか倒せば万事解決じゃないですか?

蜥蜴:果てしなくベタだなソレ

空鴉:とりあえず村を探しましょうよ。ゲームの基本ですし

蜥蜴:いいけど・・・・どうやって

空鴉:・・・・・・・・・・・・・・・・・え?

蜥蜴:私の目には見渡す限りの荒野が広がってるのだが

空鴉:それはホラ、看板とかそういうのがあって

蜥蜴:仮にあったとして見つけ出す間に死ぬだろ

空鴉:やっぱ・・・・死んだらゲームオーバーですよね

蜥蜴:コンテニュー可能って話は聞かないな

空鴉:・・・・もしかしてヤバいですか

蜥蜴:もしかしなくてもヤバいよ

空鴉:そんなぁ・・・・ここで野垂れ死にですか

蜥蜴:ん・・・・いやその心配はないみたい

空鴉:足音・・・・もしかして助けが!?

蜥蜴:阿呆。こんなとこピンポイントで助けに来るようなヤツはウルトラの星にもいないって

空鴉:えー・・・・敵ですか?

蜥蜴:多分ね。いや絶対だ。悪人面だし

空鴉:人を顔で判断するのはどうかと思いますよー

蜥蜴:世の中は割と不平等なんだよ

空鴉:とか言ってる間に囲まれましたけど

蜥蜴:・・・・アレ?こいつら喋らないの?

空鴉:本当だ。メッセージウィンドには表示されるけど声がない

蜥蜴:こんだけリアルだからてっきりフルボイス仕様かと思ったよ

空鴉:臨機応変でもないようですね。さっきから金を出せしか言いませんし

蜥蜴:レパートリーが少ない山賊だなー

空鴉:とりあえず・・・・やっちゃいます?

蜥蜴:そうだね・・・・ダルいけど戦うとしよう