朝、帰ってくるとき。
湿気の層が道路からにじみでてた。海の中を歩いてるみたいに、かきわけてもかきわけても気管まで濃厚な空気が入ってる。境目がないかんじ。のらーりくらーり坂を下りてきたら曇ってた空がスッと明るくなって、坂の途中に風鈴が並んでいるとこにきた。自分の立っている高さまではまだ湿気の層が残っているのに、風鈴の高さは勢いよく風がすべって一斉に鳴っているガラスの微音重奏。しばし水の底で水面にふく風に耳をあずける。時間はゆっくり。
湿気の層が道路からにじみでてた。海の中を歩いてるみたいに、かきわけてもかきわけても気管まで濃厚な空気が入ってる。境目がないかんじ。のらーりくらーり坂を下りてきたら曇ってた空がスッと明るくなって、坂の途中に風鈴が並んでいるとこにきた。自分の立っている高さまではまだ湿気の層が残っているのに、風鈴の高さは勢いよく風がすべって一斉に鳴っているガラスの微音重奏。しばし水の底で水面にふく風に耳をあずける。時間はゆっくり。