小説『デッドエンドの思い出』よしもとばなな著
5つの短編集で、いちばん最後に掲載されているのがこの表題になっています。
よしもとばななさんというと「キッチン」が有名で、その他にもたくさん書かれているだろうけど、うちにあるのはこの短編集と親書の1冊だけ。
もちろん短編集だから、短くてさくって読めてしまうけど、ひとつひとつが印象に残って、いろいろ考えさせられて、何回も読んでると出てくる登場人物一人ひとりと出逢っている感覚があって、歳を重ねれば重ねるほど、共感も覚えます。
もう何年もうちに住んでいるものだから、たまに外に出かけてくる時もあります。
友人宅へ行き、お子さん(中学3年生女子)が勝手に読んで「おかあさん、この本エロい・・・」と言って帰ってきた。
その子には「エロい本を読んでるお姉さん認定」をされてしまったものでもあります。
きっと読んだことのある人は、どのお話だかお分かりになるでしょうが、それ以外は中学生が読んでも楽しめるものだったんですけどね笑。
5つのお話の主人公である女の子たちは、みんなどこかで傷ついてたり、人のことや物事を深く、けどさっぱりと、淡々と考える。
なんか、幼い子も主人公に出てくるけど、すてきな子たちだなって思ってしまいます。
しかし、それはもうひとつの親書のばななさん自身のことがとても影響していて、反映されていることもちょっとあることがわかったりします。
もちろんそれは、お父さんの吉本隆明さんの影響もたくさんあるだろうけど、むずかしい言葉でなく、こうやって物語として語られるとすぅっと言葉が溶け込んでくる感じがします。
たまたまネットで下調べをしたら、2019年2月16日に映画公開されていました。ちょっとびっくり!映画はこちら。小説はこっち。
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