2025年の記録
鉱都・足尾で迎える2回目の冬の記録
わたらせ渓谷鉄道の各駅が、イルミネーションで飾られると、「あ~、冬になったな!」と。
旧足尾町の大半は山林で、渡良瀬川とその支流沿いの僅かな土地に住宅がある。全盛時の1916年(大正5年)には、宇都宮市に次ぐ38,428人の人口を有していた。その後、銅山閉山後は過疎化が進行し、日光市との合併した2006年(平成18年)に3,220人、2020年(令和2年)に1,770人となった。
居宅最寄りの足尾駅が、12月1日からライトアップされた。待合室には、サンタ帽をかぶった大きな雪だるまのぬいぐるみが飾られる。
わたらせ渓谷鐡道終着駅の間藤駅もイルミネーションで飾られている。「かもしかの見られる駅」の看板があるものの足尾に住んで2年、ニホンカモシカに遭遇したことはない。サルやシカは、しばしば目撃するのだが。蛇足ながら、話は聞くものの僕自身がクマと遭遇したこともない。
居宅のベランダから眺めた月と雲。
日の出前の古河鉱業足尾鉱業所(復元)
居宅駐車場から足尾駅方面を眺める定点観測地点。夕方、西の空が、僅かに赤らむ。
高崎まで出張した帰り、わたらせ渓谷鐡道本社のある大間々駅に立ち寄った。本屋は1941年(昭和16年)竣工、木造平屋建セメント瓦葺、壁面はモルタル塗り、待合室の腰壁には人造石が使われるなど昭和初期のモダンな建築様式に沿った造りとなっている。登録有形文化財。
土日祝日に足尾駅まで来るトロッコわたらせ渓谷号を牽引するディーゼル機関車が、留置されている。運行は春夏秋の土日祝日。
大間々駅で雲一つない青空を見たあと、足尾に向かって国道122号線を北上すると、みるみるうちに空が厚い雲で覆われ、白いものが落ちてきた。翌朝は、ご覧の通りの雪景色。
下間藤の道路沿いには、木造住宅がならび、鉱都・足尾の面影が感じられる。
雪の日の夕方、定点観測地点から。
旧日光市との境界となる日足トンネル足尾側にある凍てついた地蔵滝。
珍しく真っ赤に焼けた。居宅ベランダから古河鉱業足尾鉱業所(復元)。もう1つの定点観測地点。
【メモ】
先週ぐらいから米価に関する報道が増えている。コメ農家の端くれとして思うところを書き残しておく。
日本の農業、コメに関することは、どんな切り口でもクレージーに尽きる。以前にも書いたが、日本の農家の大半を占める兼業農家にとって、農業は事業ではなく家業。稼ぐことが目的ではなく、田圃を田圃として承継することが目的なのだ。ひと言で言うと、トントンならOKなのである。(どう考えても、これって、クレージーでしょう。) さらに収支トントンというのは、政府の補助金を貰うことが前提だ。その補助金とは、コメの転作(減反)など、政府の言うとおりに従ってはじめて頂ける。経営努力とか、経営の自主性など考えず、イエスマンでいれば、収支トントンになる仕組みなのだ。(これまたクレージーだよね。) 今では死語の“共産主義計画経済”下のコルホーズ(ソ連の農業生産協同組合)や中国の人民公社に近い。(3つめのクレージー) 何ゆえにそんなことになっているかというと、食糧安保の大義を掲げているものの1番の理由は、政権与党である自〇民〇党の票田である農家を守るためだった時代の残影だ。農家を辞めて、会社勤めになって、労働組合員(社〇党支持)にでもなられたら困るからだ。
トランプ大統領の「相互関税政策」であからさまになったが、アメリカから日本にコメを輸入した時の関税は、キロあたり341円、率に直すと、以前は778%、国際的な穀物価格の上昇で280%となる。桁が、一桁、二桁違うんじゃないかと思うクレージーさである。
コメの高税率は、それだけ日本の米作の生産性の悪さを示している。農免道路の両側には、四角に区画整理された水田が広がるものの、その所有者は、バラバラで、1枚の田圃を2戸で所有していることもある。元専業農家とはいえ、大した土地持ちでもない我が家の田圃は、3市町に分散している。(跨っているのではなく、分散。) そもそも、同じ市内にある田圃もまとまってあるのではなく、分散している。それだけでも、十分に非効率なことに加え、農業機械の稼働率は、2~3%なのだ。
日本の農民は、自営業者なので、最低賃金法が適用されない。2023年度の最低賃金の全国平均は、時給1,002円となり千円の壁を突破した。ところが、ある研究者の試算によると、日本の米作農家の時間あたりの平均収益は10円。つまり時給10円である。ほぼ、ボランティアじゃないか。そのボランティアに日本の食糧安全保障を委ねている。これをクレージーと言わずして、何と表現すれば良いのか?
現在、農地の法人所有は、認められていないが、仮に解禁となっても、既述した通りの飛地のオンパレードじゃ、何もできない。バブル時代、都市部で暗躍した“地上げ屋”に農村部で、再び活躍してもらわないと、ほんとうの区画整理は、進まないだろう。
最期にちょっとだけ明るい話をすると、コメは小麦と比較すると圧倒的にパフォーマンスが良い食材だってことだ。コメは、収穫後、乾燥、脱穀、精米して、水を加えて炊くか、蒸せば、食べられるが、小麦は、製粉やパンならイースト菌その他を加えて練ったのち焼かなくてはならない。麺類でも水で練って、伸ばして、茹でて・・・・といった工程が加わる。広義の調理の簡単さが、コメの優位性である。
旅は続く
過去記事は、
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