【270】本山寺(持宝院)第七十番
住所 三豊郡豊中町本山
宗派 真言宗高野派
山号 七宝山
開山 弘法大師
本尊 馬頭観世音菩薩
国宝 本堂
重文 馬頭観世音菩薩・阿弥陀如来・薬師如来・仁王門
実は10年前に、ここでえらい目に遭いました。駐車場のゴミ箱がコンクリートでど真ん中にあり、保護色になっていまして、何もないと思い一気にバックするとゴツン。へこんでしまいました。いやな思い出のある寺です。普通は、ゴミ箱なら黄色か何かで色着けているだろうに。
弘法大師が徳島県井ノ内村から伐採した用材で一夜に7間四方の堂宇を建立し、馬頭観世音菩薩を刻んで本尊としたのがはじまりです。田園風景の中に風格のある五重塔が見え、仁王門は円柱からなる珍しい八脚門で、切妻造り本瓦葺き鎌倉時代の作といわれ唐風の絵模様の彫刻がされ、国の重要文化財に指定されています。国宝の本堂は、寄棟造り、本瓦葺きの重厚な建物で香川県の建築物で唯一の国宝です。長宗我部元親の兵火を免れた数少ない寺院の一つで、国宝や重文が残る貴重な寺です。元親が攻め入った時、住職が切られてしまった。本堂に立ち入ると阿弥陀如来の腕から血が流れていたと言う伝説があります。元親から攻められて無傷であったことが不思議なことだったんだと思います。それほどまでに、長曽我部元親は、仏敵以上の破壊の悪魔だったのでしょう。信長が僧兵を多く抱えた叡山を攻めたことを非難する者が多いが、叡山も叡山僧兵など抱えなければ良いのです。私は、信長が仏敵とはあまり思わない。しかし、元親は、四国の寺院を破壊の限りを尽くしている。四国遍路をしていて、長曽我部元親だけは許されない存在になってきます。遍路も残り少なくなり、こころ穏やかにならなければならないのに。
1998.08.20
2020.12.23