
【272】曼荼羅寺(延命院)第七十二番
住所 善通寺市吉原町
宗派 真言宗善通寺派
山号 我拝師山
開山 弘法大師
本尊 大日如来
重文 木造聖観音立像
弘法大師の一族である佐伯家の氏寺として世坂寺と号し建てられたのがはじまりです。唐より帰国後、唐の青竜寺に模して堂塔を建て母堂の菩提をとむらい、本尊として大日如来を刻み、金剛界・胎蔵界の曼荼羅を書写して安置し曼荼羅寺と改めた。
屏風のように立つ五岳(香色山・筆ノ山・我拝師山・中山・火上山)の中央我拝師山のふもとにあり、重厚な山門を入り小さい石橋を渡ると、本堂と大師堂、観音堂、庫裏が建っています。周辺には、田と畑が広がり、讃岐富士に代表される小山のような山が点在する穏やかな風景が見られます。
平安の歌人西行法師が近くに庵を結び、この寺にもしばしば訪れてきました。ある時同行した人が桜の木に笠をかけ、忘れて帰りましたが、のちに西行が再び境内に入ると笠がそのままになっていたので「笠はあり、その身はいかになりぬらん、あわれはかなきあめが下かな」と詠まれた歌碑が昼寝石の横に建っています。
1998.08.20
2020.12.23