「現在ユダヤ人と呼ばれている人々の多くは、主に中世にユダヤ教に改宗した白人であって、人種的にはユダヤ人ではない」という話は、だいたい、こういったサイトをわざわざ見に来て下さっている方々には、周知のことかもしれない。
しかし、コロナ問題をきっかけにマトリックスの外に出つつあって、たまたまこの文章を見かけるような方もいらっしゃるかもしれないので、簡単に説明の文章を置いておこうと思う。
世界史を振り返った時、およそ「ユダヤ人」ほど目立つ「人種・民族」は、他にいないであろう。
現在も、ウクライナ大統領やそのパトロンがユダヤ人であって、大統領になってからウクライナの言葉を覚えたといった情報が流れているが、とにかくこれほど目立つ存在は他にない。
特に、公式なイスラエル建国の歴史は、2000年間離散していた民族が、この現代にその発祥の地に戻って、預言を成就する形で行われており、劇的な建国史であると言っていいだろう。
ところが、ここに重大な欺瞞が隠されているわけだ。
現代のユダヤ人には、多数派を占める「アシュケナジー(アシュケナージ)・ユダヤ人」と、少数派の「スファラディ・ユダヤ人」がいる。
このうち、「スファラディ・ユダヤ人」は、いわゆる「本当の」ユダヤ人で、2000年前に国が滅びたのち、地中海沿岸を中心に離散していて、イスラエル建国を機に「帰還」した人々とされる。
もう一方の、「アシュケナジー(アシュケナージ)・ユダヤ人」が、問題であり、こちらは「本当の」ユダヤ人ではない。
1990年頃に、聖書や中東問題に詳しい宇野正美氏(世の勝手な分類ではいわゆる「陰謀論者」である)が、自分の友人たちであるユダヤ人に、この、「アシュケナジー(アシュケナージ)・ユダヤ人」と「スファラディ・ユダヤ人」の起源を尋ねた時の様子が、当時の氏の著作に記載されているが、本人たち(ユダヤ人の皆さん)は、「アシュケナジー・ユダヤ人」が「本当の」ユダヤ人ではなく、「中世にユダヤ教に改宗した白人」であることを知っている。
「アシュケナジー・ユダヤ人」にとって、イスラエルは「人種的な約束の地」ではなく、「宗教的な約束の地」である。
つまり、「2000年前に自分たちの祖先がここに住んでいた」は虚偽であって、「ユダヤ人」は人種を指すのではなく、「ユダヤ教の宗教集団の信徒」を指すことになる。
では、いったい、この「アシュケナジー・ユダヤ人」は、どこから来たのか。
詳細は、「ユダヤ人とは誰か」をご覧頂きたいが、端的にどのような論説かを以下に記載する。
かつて、ハザール(カザール)という国が、7世紀頃から現在のウクライナを含むコーカサス・黒海沿岸地域に栄えており、この国は、キリスト教の強国とイスラム教の強国に挟まれるような状態にあった。
このため、9世紀頃に、その両者(キリスト教とイスラム教)の要素を持つ、ユダヤ教に国を挙げて改宗した。
ハザール国が滅亡した後、ユダヤ教に改宗したハザール人たちは、同地から東ヨーロッパ中心に分布するようになり、これが現在の「アシュケナジー・ユダヤ人」となった。
そして、ナチスドイツの迫害を機に、イスラエル建国の動きとなり、多くの「アシュケナジー・ユダヤ人」が、イスラエルに移住し、現在のユダヤ人の主体となった。
「ユダヤ人とは誰か」の著者である、アーサー・ケストラーは、自身がアシュケナジー・ユダヤ人であり、この著作を世に出した数年後に「自殺」している。
「ユダヤ人とは誰か」の邦訳は、1990年に宇野正美氏が行っているが、今なお需要は高いようで、中古品が1万5千円ぐらいで売られていたりする、いわゆる「タブー情報」のパターンであり、明治維新の真相に迫った「裏切られた3人の天皇」などと同じなのだろう。
いずれ、こういった話題が、オープンに議論される日が来ることを祈る。