祈りを、うたにこめて

祈りうた(百字ノート  芯の太い優しさ)  

百字ノート 芯の太い優しさ

  

 

 ひとはどうやって生きて二十歳を越えるのか、ただ優しくて―という詩を書

いたことがある。そのときのわたしはウジウジしていて、ノーと言えなかっ

た。それが他者には「優しさ」と映ったようで、自己理解とのギャップを感じ

ずにはいられなかった。「自分の無さ・ひ弱さ」が「他者を受け入れられる寛

容さ、他者を援けられる優しさ」と誤解されたのを知って、「本当にオレは大

丈夫か、堂々とした大人になれるのか」と、拳で膝を打ったのだった。

 

 

 「優しくね、優しくね、優しいことはつよいのよ」

 ねむの木学園を創られた宮城まり子さんの言葉である。己の弱さ・だらしな

さを棚に上げて、すぐひとを裁いてしまう心の荒いわたしには、澄んだ蒼空を

仰ぐような言葉である。毎日、もろさも、ずるさも人前にさらしている者なの

に、ひとの弱さに目が冷たくなってしまうのだ。芯の太い優しさの棒を呑みこ

みたい、大きく両腕を広げるほどの寛容さを胸板に貼りつけたい、ひとの失敗

や過ちをドンマイ、ドンマイ! 大丈夫、大丈夫! と、ニッコリ微笑むこと

のできる者に変えられたい。

 

 

★いつも読んでくださり、ほんとうに有難うございます。

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