祈りを、うたにこめて

祈りうた(でくのぼう  わたしが死んだら)

わたしが死んだら

 

 

 

わたしが死んだら

この詩を読む人はいなくなるだろう

妻も息子たちも読まないだろう

 

さんざん書き散らしたものだ 呻きつつ

机の抽斗(ひきだし)からもパソコンからも

けっして見つけだそうとするな

 

精いっぱい書いた

思い切り棄てよう

―それがわたしの詩だから

 

 

診療履歴を整理した

十五年前からのもの

それ以前は要無しと決めた

 

ファイル一冊にも満たない記録

十五年間の肉体が証しする

いのちの時間

 

だが わたしが生きている間にしか役立たぬ

遺った者の負担にちがいあるまい

丸ごとゴミ箱へ棄ててくれ―そう遺言する

 

 

 

★たんぽぽの 何とかなるさ 飛んでれば 
★いつも読んでくださり、ほんとうに有難うございます。

「終活」や「これまでの記憶たどり」は、新しいいのちへの再出発ともなる、そういう考えがいま私を支配しています。

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