洗濯物
1
雨が 「もうすぐ止むよ」と言った
そこで太陽が洗濯物を呼んだ
竿(さお)はあわててクモの巣をはらった
「ここがよく乾くよ」と場所を教えた
洗濯物はちょっと照れてあいさつをした
「ありがとう。でも、濡れたままでごめんなさい」
2
朝の散歩コースに独身アパートがある
竿には洗濯物がずらり
僕はつぶやく
「へえ、まだ陽も出てないのにもう干してある」
それを耳にした洗濯物
「ううん、朝早くからじゃないよ。昨日の晩からなんだから」
そして洗濯物はニッコリ
「でもね、そのおかげで真っ赤な日の出が見られるよ!」
●ご訪問ありがとうございます。
天気予報と洗濯干しとは、日常のかなりなじんだ物事です。私の中で、年齢とともにこのような日常に心を傾けることが増えてきました。慣れ親しんだ事々の深み面白みのようなものが、ようやくわかりかけてきたようなのです。