日本グルーヴチューン振興会

SMAP『SMAP 012 VIVA AMIGOS!』

何のレヴューをしようかと考えていたら、通勤時にウォークマンからとある曲が流れてきました。久しぶりに耳にしたその曲、「Duo」のカッコ良さにちょっと鳥肌。

そして、このアルバムのレヴューを少し書いてみようかと思い立った次第。

 

 

SMAP

『SMAP 012 VIVA AMIGOS!』

1998/6/18リリース

ビクターエンタテインメント

VICL 60196

 

 

 

少し前に「華麗なる逆襲/ユーモアしちゃうよ」のレヴューを書いて、自分でも驚くほど多くの方に拙ブログをご覧いただきました。その時に、他のSMAP作品のレヴューも・・・・と仰って頂いたので、それならば私が一番好きなアルバムを取り上げようと。

 

このアルバムは、個人的には未だにSMAPの中で一番好きな作品です。そして、ジャニーズ史上でも最も好きな作品かもしれません。更に言えば、J-POPベストアルバムみたいな企画をした時に私ならチョイスするであろうと思います。

何が好きなのか考えてみた時に、理屈で言い表せない部分が大きいです。粗を探せば色々と見える(苦笑)特に歌唱面に関しては、最近の彼らの歌とは比べられないくらいラフで歌い込み不足を感じると思うのですが、それを伴って余りある楽曲クオリティには素直に脱帽。

 

一般的な見方として、このアルバムは「夜空ノムコウ」が収録されたアルバム、と認知されているかもしれません。しかし、私にとってはSMAPのマイフェイヴァリットシングルベスト10に入れる2曲、「Peace!」と「たいせつ」が収められた作品。そして彼らのアルバム曲の中でも最高峰と言っていい「Possession Possession」と「Duo」が聴けるアルバムなのです。この4曲が立て続けに流れ出す前半部分は、本当に至福の時間。こんなに幸せを感じるアルバムは、そうそうあるものではないと思います。

 

 

オープニングはChokkakuさんの作・編曲によるOverture的なセミインスト。ドラム:スティーヴ・スミス、ベース:ウィル・リー、ソプラノサックス:ケニー・ギャレットという布陣にマンハッタン・トランスファーのヴォーカリーズという贅沢さ。

2曲目「Peace!」は、Face 2 fAKEの曲を長岡成貢がアレンジした絶品グルーヴ。ドラム:オマー・ハキム&ベース:ウィル・リーという鉄壁のリズムセクション。トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのマイク・キャンベルによる軽やかなギター。弾けるEast 4th Hornsのホーンと柔らかくグルーヴを支えるフィリップ・セスのフェンダーローズ&トミー・マンデルのハモンドオルガン。なんとまぁ心地良くカッコよくグルーヴィな楽曲なんでしょう。

「Possession Possession」は樋口了一の曲をChokkakuさんがアレンジしたロッキングルーヴ。オマー・ハキムのタイトでグルーヴィなドラムと松原秀樹のゴリゴリにファンクなベースが身体を揺らします。サックス3本で彩りを加えていますが、エンディングのフリーキーなテナーソロはタワー・オブ・パワーにもいたレニー・ピケット。

岩田雅之の作・編曲による「Duo」はスタイリッシュなジャニーズグルーヴの金字塔。お馴染み、オマー・ハキム&ウィル・リーのリズム隊にEast 4th Hornsが大活躍。そこに加わる森村献の控えめなラテンピアノの味わい深さが最高なんです。

私にとって至高のゾーン、ラストは小森田実の曲を長岡成貢がアレンジしたソウルフルな一曲「たいせつ」。ゴージャスなコーラスアレンジは山下達郎のライヴを支える佐々木久美。ほのかに漂うフィリーソウルの匂いと心地良いユニゾン、打ち込みながらブリブリしたベースライン、長岡氏のセンスが光る名曲。

 

 

この後もChokkakuさんの軽やかなカッティングギターがオシャレな「言えばよかった」(この曲の中居くんの歌はリメイクして欲しいですけどw)。ウィリアム“ジュジュ”ハウスのドラムやウィル・リーのベースに、フィリップ・セスのローズとEast 4th Hornsのホーンでゴージャスに展開する、スガシカオの真骨頂と言うべきファンクグルーヴ「リンゴジュース」。ZAKIによる(おそらくマーヴィン・ゲイをサンプリングした)ヒップホップチューン「Trouble」。ドラム:スティーヴ・スミス、ベース:ウィル・リー、ピアノ:中西康晴、ギター:Chokkakuによるジャジィ且つ土の匂いが感じられるミドルグルーヴ「世界は僕の足の下」などイイ曲がいっぱいです。

 

 

17年も前にこんなアルバムを完成させたプロデューサーの鎌田俊哉と野澤孝智の手腕に感服するしかありません。アイドルの楽曲のクオリティ、ジャニーズポップの質の高さ、SMAPの曲の素晴らしさ、そんなものが全て解る“標準原器”の様な1枚。大好きで堪らないアルバムです。


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