冒頭からなんなんですが、一昨日の金曜日にペトロールズのライヴに行ってきました。
いやぁ、すごいモノを見た。というか聴いた。
もう、ステージに3人揃った瞬間の佇まいが素晴らしくて。出てくる音が全部カッコ良くて。
殆ど曲を知らない状態で臨んで、あそこまで楽しめるとは・・・・・すげぇっす。
地元で参加できた幸運に感謝。
で、本題のレヴューですが(笑)
実は彼女たちもライヴを見てみたいバンド。地元まで来てくれるってコトは難しそうだけども(苦笑)
『S.N.S』
2015/7/29リリース
レーベル:Chuo Line Records
ディストリビューター:PCI MUSIC
MRNS 002
今年の3月に待望のファーストCDを送り出した藤岡みなみ&ザ・モローンズが、早くもセカンドミニアルバムをリリースしました。
前作のレヴューで“温い”と表現した質感は保ちつつ、センチメンタルな部分とエッジが立った部分を良い塩梅でバランスを取って仕上げてる感じが伝わってきます。
相変わらず際立つのは殆どの楽器を担い、プロデュース&アレンジからレコーディングやマスタリングをこなすリーダー:ヒロヒロヤ氏の手腕。冴え渡るピアノやオルガンの音色やフレーズにシビレまくり、グルーヴィなベースラインに身体を揺らす。
そして、一曲目のキラーチューン「ウインク・キラー」のイントロで炸裂するロックンロールなフレーズや、三曲目「ド忘れ in the night」で聴かせる印象的なカッティングのリフで楽曲を彩るネロくんのギターもカッコいい。
作詞&ヴォーカルの藤岡みなみ嬢の歌は、不思議な魅力が増幅している。体温が低そうで抑揚がフラットに思えるのに聴いてると温かみが感じられる。一般的に“上手い”と言われるヴォーカルではない。しかし、彼女にしか歌えないキャラクターが立ってる。ヘンな譜割で変則リズムの曲を感情過多にならず歌う。しかし、その中には切なさや棘が潜んでいて心に楔を打つ。この個性は天性のフックとしか言えない。
ヒロヒロヒヤ氏とネロくんという手練の曲作りと、藤岡みなみという個性が融合して生まれるケミストリーを堪能して欲しい。
ここには、感情を揺さぶる極上のポップミュージックが存在します。
「ウインク・キラー」のイントロの鍵盤聴いただけで泣きそうになる。カッコ良くて切なくてゾクゾクする極上のジャズロック。
「それでそれで?」のメロウで柔らかなソウルフィーリングも実に染みる。
「ド忘れ in the night」の緩いRapとグルーヴィなサウンドも楽しい。
「10万年」の疾走感とポップネスのブレンド具合も絶妙だし、「世界の名前」に感じる妙なスケールの大きさも魅力的。
前作と合わせて2枚のミニアルバムを聴いて、このバンドの多様性というか抽斗の多さと懐の深さを感じています。かといって決して求道的ではないユルさ(笑)がイイんだなと思うのです。