職業作曲家として最も尊敬する存在である“筒美京平”センセのトリビュートアルバム
『筒美京平トリビュート the popular music』
以前出た、作曲家生活30周年記念の『HISTORY』(4枚組×2)も、40周年記念の『THE HiT MAKER』(6枚組ボックス)も持ってるくらいイレこんでる私です(笑)
職業作曲家“初”のトリビュートと言われるコレを買い逃す訳にはいかない(爆)
このアルバムですが、イイっす♪
メジャーな曲を、一線級のアーティストでカヴァーというコンセプトが、まず素晴らしいです。
オープニングは、山崎まさよしによる「さらば恋人」(堺正章)です。アレンジは服部隆之。
ベースが中村キタローで、コーラスに斉藤久美と吉川智子が参加してる~
初期の久保田利伸だ~(笑)
ホーンは木幡光邦・中川英二郎・つづらのあつしといった面々。そして、なんといっても・・・・・
タンバリンは河本準一!!ば~い次長課長(爆)
全体にモータウンライクなサウンドに、GSテイストのノリを加える見事なシゴトです。
2曲目の柴咲コウによる「ブルー・ライト・ヨコハマ」(いしだあゆみ)もイイです~
前嶋康明によるストリングスアレンジ(ストリングスは弦一徹)がアッパーなグルーヴを醸し出す。
コーラスがLady Marmaladeというのが、またソソる
3曲目は徳永英明が「たそがれマイ・ラブ」(大橋純子)を歌う。ギター:今剛、ベース:高水健司、ドラム:青山純、パーカッション:浜口茂外也、サックス:平原まこと、ピアノ:坂本昌之という実に隙の無い布陣(笑)
Light Mellow Musicというモノが実に良く解る名カヴァー。
つんく♂の「セクシャルバイオレットNo.1」(桑名正博)は、サラッと流しましょ(苦笑)
いや、鈴木俊介の打ち込みと小松秀行&GENTAのリズム隊、中西康晴のエレピ、小林太のペット、竹上良成のサックス、とまぁバックは贅沢なんですが・・・・・ヴォーカルの艶がなぁ・・うーーん(ーー;)
BONNIE PINKの「人魚」(NOKKO)はグッジョブ(笑)
小林俊太郎のアレンジは、オリジナルのテイストを残しつつ新しい世界を構築しているし、ボニーの歌はノッコほどクセが強くない分(でも、ちゃんと印象に残る深さを湛えています・・)万人のココロにスッと入ってくる。
ET-KINGの「お世話になりました」(井上順)と秋川雅史の「飛んでイスタンブール」(庄野真代)に関しては、言及しません(苦笑)
最近の動向も押さえておきたいというプロデューサーの意向でしょうか???
個人的には、いまひとつ・・・・・
後者のアレンジ&ピアノが妹尾武という情報だけは書いておきましょう(爆)
島谷ひとみの「魅せられて」(ジュディ・オング)は、なんといってもRockamencoのDANが弾くフラメンコギターがインパクト強い。エーゲ海のイメージが、一気にラテンテイスト溢れる一曲に(笑)
ゴスペラーズの「夏のクラクション」(稲垣潤一)は井上鑑のアレンジで。ギターは今剛、リリカルなフルートは山本拓夫さんです。
流石の安定感漂うコーラスワークとメロウなバックトラック。爽やかなオトナのサマーアンセムです。
melody.の「真夏の出来事」(平山三紀)に関しては・・・・この曲はオリジナルを超えるのは無理だと思ってるので、ちょっとコメントし辛いです(苦笑)
極めて個人的な感想ですが、テンポ落としたのは解せないっす。ヴォーカルのキャラクターの薄さも気になります・・
さて、今回のトリビュートの中でも屈指の出来だと思ってるのが、スピッツの草野マサムネによる「木綿のハンカチーフ」(太田裕美)です。
スキマスイッチの常田真太郎のアレンジで、よりポップに、よりメロウグルーヴになった名曲。ギターは佐橋佳幸、ベースが沖山優司、パーカッションは三沢またろう、そして全編通して美しい音色を聴かせるフルートは山本拓夫さん。
マサムネ氏の抑え目ながらクセのある歌声が見事にハマってます。素晴らしいです。
エンディングは、クレイジーケンバンドの「また逢う日まで」(尾崎紀世彦)です。もう、どこを切り取っても剣さんワールド(笑)
やっぱ、こーいう世界は良く似合う。
いいメロディを愛しむ様に歌う剣さん、ダンディでカッコいいです。
という訳で、書き出したら長々と全曲解説(爆)
京平センセが作曲家としてのシゴトを開始した頃、私は生まれました。音楽が好きだった父親のコトです。多分、幼少の私にも、テレビから流れる歌謡曲やGSを聴かせたと思います。
それから、ずっと私の周りには、筒美京平という稀代のヒットメイカーが作った曲がある。
今でも、色褪せず輝き続ける名曲が。
最後になりましたが・・・・
このアルバムの歌詞カードの冒頭に、松尾“KC”潔が書いた文章があります。コレを読んで、ますます京平センセが好きになりました。読んでて身体が震えました。
このアルバムを手に取る機会があったら、是非読んで欲しいと思います。私が、筒美京平という天才クリエイターに惹かれる理由の一端が解ってもらえると思うから・・・