「島はぼくらと」
以前、たまたま手にした辻村深月さんの「この夏の星を見る」の感想を書かせてもらったとき、この本を薦められた。
正直なところ、申し訳ないことに 途中まで退屈な感じはしてしまった。
瀬戸内海に浮かぶ冴島という閉じた空間からか。
自分のように表面的な人間にはわからない、うぶで非常に深く深層心理ではないかと思うくらい深いところをすごくわかりやすく紐解いて、心と心の人と人の心のキビが
微妙にすれ違ってしまう様子が、も、描かれている。と、思う。
網元だったり、シングルマザーだったり、その親子関係だったり、村長さんの権力者の表と裏など言葉では言い表せないような些細なことを描いて見せてる。
後半の最後の方の、4人(朱里(あかり)、衣花(きぬか)、新(あらた)、源樹(げんき))が劇場を抜け出す様(ネタバレか)から やっと自分としては物語が動き出して、わくわくし始める。
そして、最後の最後の方で これも素敵な場面、同期の4人が液体が混ざるようにカップルになっていく所、(ネタバレですが)とても自然に描かれている。
今までの島という、殻から若者が、一人ひとりの人間が、今だからこそできることを深く深く考えた結果が、更にその先にあった。
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