早朝にひとりトラがきて
コメを磨ぐ
このひと、でーでー?
たんねんに
生活のぬいぐるみをかぶって
よう冷えるなあ。
っていいながらうれしそう
貧語をながして
こころのまずしいじぶんを磨ぐ
やっはりたにんには
なれんなあ。
ひと粒もゆるがせにせず
あたりまえが
磨ぎあげられる
そとは雪が降ってきた
あったかい国のかがやきまで
冬のおもてを
ぴかぴかにしたいのです
おねがい、トラくん。
磨ぎ汁は捨てないで
ヤギたち暗いうちから
待っているずっとこっち見て
このひと、でーでも、
ありゃーせん。
ていねいに
生活のぬけがらをかぶって
ムダがなくなるまで
雪の朝を磨ぐ
最新の画像もっと見る
最近の「文学」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事