どんぐりうさぎのタンポポ野原

自作の陶芸作品を見てほしくて始めたブログですが、いつのまにか
野鳥と小さな翅の友達とお花のブログになりました★

朝井まかて「雲上雲下」を読みました。

2018-06-01 07:45:58 | 本のこと


 ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」の日本版のような、
云ったら乱暴でしょうか。
かつて、雲に腰かけて耳をすませて地上から聴こえてくる物語を拾い上げて
天界の神々に伝えることを生業にしていた「草どん」と
子狐と山姥との興味深いやりとり。
子どものころから耳にしてきた懐かしい昔話や民話の数々
龍神を母にもつ少年、傘地蔵、田螺で産まれた赤ん坊
浦島太郎の亀などなどの物語の切れ端がたくさんでてきて
長く物語にひたっていたいような、結末を知りたくて先を急ぎたいような…
最終章での急展開には驚きましたが、わたしは
このような小説を欲していたような気がします。
このところ読んだ本のなかで、一番好きです。

物語にでてくる尻尾のちぎれた子狐のつもりで
 以前拵えた陶の犬を添えてみました。