しかしネットでいろいろ調べると・・・プロードライザーを交換してもその後再発するケースもあるようです。
今回そのような事例に遭遇しましたのでメモしておきます。
ただし、今回の対処ですべての事例に対応できるとは思えませんので、記録として残すべきかどうか悩んだのですが・・・一例として残すことにしました。
この内容を参考にされても、症状が改善されない場合も当然あり得ることを了承願います。また全て自己責任でお願いします。
送付いただいたTX65/Fは、ACアダプタを接続した状態では、電源が入ってもWindowsの起動画面や、その前で電源が落ちてしまう状態でした。バッテリーのみの状態では、全く問題なく起動・動作しています。
プロードライザーを交換しました。交換後は、ACアダプターを接続した状態で、Windowsが起動して問題ありませんでした。これで8時間程度ヒートランを行い問題なかったので、修理完了と思っていました。
しかし、念のために翌日再度ヒートランを実施・・・すると不定期ですが1~3時間程度で、再起動することがありました。 昨日はこんな兆候はなかったのに・・・
う~ん、プロードライザのばらつきなのか、他の部品も劣化してしまっているのか。悩みました・・・
もともとCPUなどの電源回路は、ACアダプタ(スイッチング電源)から入ってくるスイッチングノイズを吸収するようなデカップリング回路があります。今までは、広帯域のノイズに対応するため電解コンデンサーやタンタルコンデンサー、セラミックコンデンサーなどを多数組み合わせて構成していたのですが・・・このプロードライザは、広帯域のコンデンサーなので、それらがこの一個で済むという優れものです。
確かにTX65のCPU電源周りには、セラミックチップコンデンサーはありますが、大容量の電解コンデンサーやタンタルコンデンサーは見当たらず、このプロードライザーが一手にその役割を引き受けているみたいです。
でもそれに無理があるのかもしれません。
実際のスイッチング電源のスイッチング周波数は数百KHzなので、プロードライザでは低すぎるのかもしれないですね。(スペック表をみると1000μFのプロードライザの共振周波数は100MHZ程度)
そこで、プロードライザに並列に低ESRの電解コンデンサー(1000μF/10V)を取り付けてみました。電解コンデンサーは、数百KHzの周波数であれば十分デカップリングの効果が期待できます。
取り付け場所は・・・この機種には、2台めのハードディスクが取り付けられるスペースがあります。もっともコネクタがついていないので、実際に使用することはできません。(海外モデル用?)
そこのスペースに電解コンデンサーを取り付けて、リード線を伸ばしてプロードライザの+と-端子につなぎました。
基本的には、最短距離でつなぐのが一番良いのですが・・・取り付け場所がほかにないので、仕方ありません。
これでまたヒートランテストや電源の入り切りなどを繰り返して行いました。その結果3日間、電源が突然落ちる、再起動する現象が発生しませんでした。テスト期間がそれで十分かといわれると・・・難しいのですが、明らかにプロードライザ単体の場合よりも、電解コンデンサーを並列に付けた方が安定しているのは事実です。
効果ありと判断し、お客様にご返却いたしました。ご返却後10日程度たちましたが、再発のご連絡がないので、問題なく動作していると思います。
冒頭にも書きましたが・・・今回の対処ですべての事例に対応できるとは思えませんし、この内容を参考にされても、症状が改善されない場合も当然あり得ることを了承願います。また全て自己責任でお願いします。
*追記
DynabookのACアダプター使用時に電源が落ちる件について、現在修理対応をひかえさせていただいております。詳細は
こちら
をご覧ください。
<追記> 2014.12.19
その後、プロードライザをチップタンタルコンデンサーに交換する方法が効果ありと判断いたしまたので、修理を再開しました。
詳細は、こちらのブログまで。
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