漢の高祖 劉邦の話

　中国の歴史ドラマや小説が好きです。私たちの教訓になることも多いです。リーダーのあり方、人との関わり方、人生観・・・。うなずけることばかり。特に皇帝の資質は、今のリーダーにも通じる事があって、とても興味深いです。
　最近、良く頭に浮かぶのは、劉邦の話。漢王朝を建てた皇帝です。最初項羽と争っていた頃は、とても優れたリーダーでした。人を大事にし、遠方からも優れた人材が集まって来て、適材適所抜擢し、苦難を乗り越え、領土も広げ、安定した国家を作り上げました。出身は低く、ごろつきの親分のような人でした。でも、この人のために・・・何かしてあげようと思えるような、きっと魅力的な人だったんでしょう。
　しかし、晩年はどうでしょう？偉くなって全ての物を独り占めできるようになり、若い頃から一緒に苦労をしてきた仲間や参謀を疑うようになり、信じられなくなるのです。ある人は、気が狂ったふりをして難を逃れ、またある人は、偽の知らせで呼び出され殺されます。周りには、自分の耳に心地よい事を言う人しか置かなくなります。その結果、一人ぼっちになってしまうのですね。
　劉邦だけでなく、だいたい王朝が滅ぶ時というのは、似ています。皇帝が有能な宰相を讒言によって退け、宦官の話しか聞かなくなり、真実が見えなくなるわけです。最初は優れた皇帝で素晴らしい政治をしていても、晩年は悲しい最後を迎えることが多いです。人を大切にし、よい取り巻きに恵まれ、うまく世代交代をしていく王朝は長く発展します。
　こんな話を教訓に、友達は大事にしています。・・・特に、私のために正直に言ってくれる人は、貴重です。いつも謙虚でいたいと思います。