11月17日(金) 対戦相手:悪戯心
板橋・稽古場
今回の舞台も、今まで同様“オムニバスコント集”となっております。“オムニバスコント集”というのは、一本が数分から十数分の短い作品をつなぎ合わせて、まあだいたい1時間半から1時間40分くらいの舞台にする事を言う
のだと思います。
この言葉、日常用語ではないので、皆さんがどう使ってるか不安でたまりませんが、ボク達はそう使っております。現在の稽古状況は、ひとつひとつの作品を深く作り込む作業の真っ最中でして、そうすると出演者の中には自分の出るネタじゃない稽古の場合、不意に暇な時間が出来てしまう人も出てくるのです。暇な時間が出来た人も遊んでるのではなく、自分のネタの事を考えたり、台詞を覚えたり、あとは
チケット買ってもらう営業メールしたり。
丁度夕方の、お腹の空く時間帯にフリーになったのはなっぱちゃんでした。ボクは全部のネタをチェックしなければならないので、ずっと稽古場にこもりっきりですから、
「コンビニ行ってきます。」
「じゃあ、申し訳ないんだけど、パン買って来てくれる?」
「いいですよ。」
300円渡してパン2個をオーダーしました。
「何系がいいですか?甘いの?惣菜系?」
「じゃあ“なっぱセレクト”で!」
「それが一番プレッシャーなんですけど…。」
その会話を聞いていた堀内くんがなっぱに目配せをしていたのをボクは見逃しませんでした。あの目配せは
「とんでもないヤツ買って来い!」
の指示でしょう。でもちゃんと見てるんだよ。まあなっぱの出方を見ましょうか。なっぱが出演しない『環境戦隊ステレンジャー コントバージョン』の稽古に入ります。あ、でも稽古場の空気が悪いねぇ。ちょっと換気しようか。換気の間は窓も扉も開けている為、声も出せないしちょっとだけ中断のような形になってしまいます。そのちょっとした時間に堀内くんは抜け目無く給湯室に行って
カップ味噌汁にお湯を入れてた。
おいおい、すぐに稽古再開するってのに、何で自分だけ味噌汁なんだよ?人の夕飯には悪戯心たっぷりなのに。よーし、そっちが食べる気満々ならこっちは
はい、稽古再開~!
約10分の作品ですがしっかりと動きの確認、そしてギャグを追加したりして、みっちり50分費やしました。という事は、堀内くんの味噌汁は具もふやけ、ぬるくなっていて
「どう、味噌汁飲み頃だったでしょ?」
「ぬるくて不味いです。」
一気に天国から地獄です。でもね、別にいじめてる訳じゃないんですよ。この次期は時間がいくらあっても足りないからさ。まあ我慢してよね。で、なっぱが買ってきたパンは
甘い系2個。
クドイでしょ。ボクも地獄を味わいました。