石のつぶやき

　２月１２日（月）　対戦相手：ガン泣きする子

　海

　

　オッス、オレ、石板。人には『ゼウス』とか『神さま』とか言われてんだぜ。いつも笑顔を振り撒いてるんだけど、口開けっばなしだから口の中が乾いて仕方ないんだよ。あとさ、ゴミとか入れるの止めてくんないかなぁ。かと言ってポップコーンも困るんだ。医者から食事制限かかってるからさ。

　

　子供さんにはオレ様の顔というのはやはり恐ろしく映るようだね。

　

　「わ～た～し～やりたくな～い～。」

　

　お母さんに無理矢理手を引っ張られた女の子の叫びを聞いて、白い顔の陽気なあんちゃんは「これは怖くないんだよ。」と諭す事も出来たんだけど、今日は敢えて乗っかってたよ。オレ様に震えながら近付き、口の中を覗きこんで

　

　「この中にはすんげえ恐ろしいモンがあるだよ。それは“毒蜂の巣”とか、“貞子の家の入り口”とか“ブログを炎上させるようなネット社会の匿名性”とかよりも恐ろしいモンだ。誰にも言っちゃなんねえど！」

　

　という意味を込めて「ヒッ！」迫真の演技だよ。ま、オレからしたら安い演技だけどな。これが効いてたおかげでオレ様大笑い。女の子大泣きを通り越して絶叫だったね。

　

　「あ゛びげる゛め゛だ～っ！！」

　

　何言ってたのか解んなかったなぁ。こんなに楽しんでもらえると石板やっててホントに幸せだね。で、どうだろう？せっかくだから、オレ様を新しいアトラクションとして常駐させるってのは。恐怖の塔も真っ青な、身の毛もよだつ恐怖の石板。あちらは落下感の怖さだけど、こちらは心理的な恐怖だぜ。大人の怖さだぜ～。もし採用されたら素敵な音は撤廃し、全部おぞましいヤツにするぜ。例えば

　「引っ越しぃ引っ越しぃ、さっさと引っ越しぃ、しばくぞ！」

　とか。ただ、オレ様だけだと心もとないし、こうやって話した事を記述してくれっから、あの白いあんちゃんも一緒に契約延長しちまうってのはどう？

　

　【新ネタ】

　人力船乗り場の手前に乳母車がズラっと並んだんだよ。船には乳母車乗せられねぇからな。それを見たあんちゃん、ガソリン入れてた。セルフが主流のこのご時世に、ご丁寧にガラスまで拭いてたなぁ。ま、オレ様以外、誰も気付いてなかったけどさ。

　

　【戦蹟】

　「あっ、ハートマンだぁ。」って言われてたな、あんちゃん。そう言えば『インスタントリプレイ』というディスコナンバーを歌った『ダン・ハートマン』という人がいたよ。オレも昔は踊ったもんだぜ。

　でも何なんだ、ハートマンって？ハート様じゃないだけましか？ひでぶっ！