謎のモーター音

　９月１１日（月）　対戦相手：冒険おじさん

　谷端川南緑道

　

　師匠・松元ヒロさんのソロライブを明日に向かえ、今日は稽古最終日です。ボクがやれる事は、もうこの時点では明日の舞台設営だけです。確かな感触と共に、明日から日曜まで、楽しい時間が続きます。

　

　稽古を終えて家に帰る途中の遊歩道。ここはジョギングする人とペットを散歩させる人には快適な石畳の歩道なのですが、ジョギンガーとペットウォーカー以外にここを快適と思う人種は他にいまして、意外と多いのが、

　

　無職で着のみ着のままのちょっと汚れた方。

　

　緑も多く、日陰も適度にあり、水場もあって、推定無職さんには結構人気があるのです。一番の理由としましては、豊島区と板橋区を縦断するこの歩道にはゴミ捨て場が多く、こういった方には絶好の調達スポットなのです。煙草とか食べ物とかのね。

　

　涼しくなって秋の虫が音色を奏でる帰路、秋の音には似つかわしくない、電気製品のモーター音が聞こえるのでした。不思議に思いあたりを見回すと、ひとりのおじさんが電気ひげ剃り器を片手に四苦八苦しているのですが、

　

　爪切ってますよ。

　

　時折カリカリカリって音をさせながらモーターは回り続けます。痛くないんだよねぇ？あのぉ見ててこっちが怖いんですけど。「無い物を嘆くのではなく、ある物を最大限に活用する。」というのは、昨日見たボウケンジャーの中の台詞ですが、このおじさんも最大限に利用してて、ある意味ボウケンジャー。そして、このおじさんのたくましさにも感心しましたが、一番たくましいのは

　

　電気ひげ剃り器の刃だと思う。