・甜菜Beet てんさい
ヒユ科、ヨーロッパ、地中海原産。二年生草木、茎は、高さ60cm~1mに成長、2年目に穂状の小花を多数咲かせ根が紡錘形、水分81%、糖分12~13%を含んで、実の大きい割には皮が薄いという。
サトウダイコンともいい赤と白の2種類あるが砂糖は白色種より採取する。赤カブ種は、真っ赤な色より火焔菜(かえんさい)とも呼ばれ赤かぶに似た形で直径12cmほどの塊根(かいこん)は、ロシア料理のボルシチによく用い、甘味があり甘酢漬け、サラダ、スープ、炒め物にしてもよい。軽く茹でて用いるが少し泥臭さが残る。
葉を食用とする品種もある。北海道特産とし年に、春、夏、秋と年に2~3度栽培する。赤カブ種は、皮をむいても内部全体に赤紫色でアントシアニン系の色素でありポリフェノールの一種として抗酸化力を持つ。ビートレッド呼ばれる赤色色素の主成分はベタニンBetanin(ベタイン系Betaine-group)で光による退色は少ないが熱に不安定で冷菓のアイスクリーム、フルーツ牛乳、ゼリーの着色に0.4%~0.0015%用いる。昆布、食肉、鮮魚貝類、茶、海苔、豆、野菜類への使用は禁止している。
&甜菜糖Beet sugar てんさいとう
砂糖は、甜菜の白色種が使われヨーロッパで1747年頃よりドイツの化学者 アンドレアス・マルグラーフにより砂糖の分離採取をしている。
世界で砂糖産出するものの35%が甜菜糖(ビート糖)で占め、サトウキビ(甘しょ)で65%の生産量だが日本では甜菜糖が大部分を占める。主に北海道、十勝、網走で栽培生産し塊茎が蔗糖(砂糖)の原料でビート糖、さとう大根とも呼ばれる。
江戸時代にすでに渡来、1870年(M3年)ごろより農業の近代化政策で西洋作物の種子を輸入、甜菜は気候の似ている北海道で栽培が試みられたがうまくいかず大正8年ごろに再度創業を再開し多くが工場生産、栽培で現在に至っている。
甜菜は、古代ローマの時代より家畜の飼料、野菜として栽培していたが病害虫にやられやすく暖地での生育がよくなく寒冷地での栽培が多い。根はカブに似ているが葉が生い茂っている様子は、ほうれん草そっくりでほうれん草と同じヒユ科アカザ亜科に属す。
二年草で北海道でまだ残雪のある初春4月に種まきし苗が育てられ雪解けの5月頃に畑に移植し成長させる。7月に小さな黄色の花を咲かせ秋に高さ20~50cm、カブの直径15cm、糖分20%ぐらいになった9~10月ごろ収穫し旬としている。
甜菜糖の糖度が99.9%と高い純度であるが甘しょ糖に比べ無機イオンを含み甘味度がやや低く温和な少し淡白な甘みを特徴とする。テーブルシュガー、清涼飲料、製菓、乳製品に利用。
葉は畑の追肥として、根の絞り粕は、酵母、調味料、オリゴ糖の原料、ビートパルプとし牛の飼料などに用いている。
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