Lost And Found

人生失くしたもの・・みつけたもの・・

自分ルールを押し付ける客

2020-05-17 12:32:58 | 僕がヤマトでウツになったワケ

正月三が日の夜間配達のこと。

僕はあるクレーマー(歳は50前後、女っけのない独身)の家に配達に向かっていました。

配達指定は19-21時。

但し書きには

 

「最終希望 なるべく遅く」

 

とありました。

時間は19時5分。

なるべく遅く、とありましたが、

残念ながらその日はこれが最後の荷物でした。

正月の夜間配達は荷物の数が少なく、

このようなことも珍しいことではありません。

 

軒先でチャイムを鳴らしますが、不在。

在宅の気配もありません。

僕は荷物を手渡しできなかったことを詫び、

その理由を不在票に書いて投函し、

センターに帰庫しました。

以前にも「最終で」と依頼がありましたが、

それが叶わなかったことが一度あったため、

念のため丁寧にメッセージを残しました。

 

帰り支度をしていた8時半ごろ、

ある客が烈火の如く怒った様子で怒鳴り込んで

センターに荷物を引き取りにやってきました。

 

 

「なあ、

なるべく遅く配達してくれと

書いてあっただろう!?

 

 

センターに怒号が響き渡ります。

客の声はどんどん大きくなる一方、受付の女は対応に困っています。

 

パーティションの裏側で、

ただならぬ空気を感じた僕は嫌な予感がしました。

表の様子をうかがったところ、

先ほど不在だったその客でした。

僕の横には支店長もいましたが様子をうかがうだけ。

誰もこの状況をおさめようともしません。

 

「僕の担当の客なので、僕が出ていきます。」

 

そういって僕は表に出ていきました。

 

「いらっしゃいませ。先ほどお届けできない理由を書いた不在票を入れたのは僕です。

お詫びのメッセージを残したはずですが・・」

 

 

「何がお詫びだ?あ?

お前なあ、

最終で配達しろと

指定してあっただろ?」

 

 

「ですから、最終でお届けしてもあの時間だったのです。すみません。

お帰りがいつになるとも分からないお客様のお帰りを待ってお届けするわけにもいかず・・

 

 

「ふざけんな!

俺は8時回らないと帰れないんだ!」

 

 

(そんなの知るかよ・・・)

 

 

センター止め、コンビニ受け取り、置き配、宅配ボックス設置・・

帰宅の遅い客にも受け取れる方法はいくらでもあるはずです。

 

 

「ですから、正月の夜間配達は荷物の量が・・」

 

 

「ああ、もういいっ!」

 

 

ウンザリしたように客はこう吐き捨て、

店内の横断幕を指さしてこう言いました。

 

 

 

あれはなんだ!?

うそばっかりじゃねーか!」

 

 

 

横断幕には「お客さんに期待以上のサービスを」と書いてありました。

 

 

 

「いいから荷物をここに持ってこい!」

 

 

 

僕は配達できなかったその荷物を客の目の前に差し出しました。

120サイズはあろうかという重たいダンボールです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、こ、こんなもん持って帰れるか!!!!ボケ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は

 

 

 

 

 

自転車で来てるんだ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

(知らんがな)

 

 

 

 

 

「ほんま情けなくなってきたわ・・

毎晩夜遅くまで仕事して帰ってきて、・・

 

 

ほんま・・

 

 

 

 

ここで暴れてやろうか!!!!!」

 

 

 

 

 

 

これは明らかな恫喝、脅迫罪、威力業務妨害に相当します。

しかし支店長はパーティションの裏から出てきません。

 

僕は冷めた目でクレーマーを見ていました。

 

端末も終了し、トラックのシステムもシャットダウンした後。

トラックでの配達は無理です。

客のクレームはループし、収拾がつかなくなってきました。

客は気がおさまる様子はありません。

ゴネる客に僕は、

 

 

 

「・・・わかりました。帰宅途中、自家用車で荷物を置いていきます。」

 

 

 

 

「当たり前だ!!!」

 

 

客は愚痴りながらセンターを後にしました。

 

自分はなんでこんな惨めな思いをしているのだろう?

ため息がでました。

 

今になって思えばこの対応は仕方なかったのかなとも思います。

怒りで我を忘れている客にはルールを説いても無駄ですもんね。

 

ただ、このようなわがままな客がいること、

支店長が弁護、バックアップしてくれなかったことに

当時とても残念な思いがしました。

 

そして、担当するコースにこのような客がひとりやふたりではないことを後に知るのでした。

 

「俺は客だぞ?客は神様だろ?」

 

残念ながら現実的にそういった態度の個人客は多く、

これが個人客のモラルの現状なのです。

 



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