最近コロナ禍で社員らに見舞金が出たことで
ネットではヤマトは従業員を大事にする会社というイメージもあるようですが、
僕はそうは思いません。
今日はそんなお話をしたいと思います。
ある夏の繁忙期、僕は冷凍冷蔵庫とエアコンの効きが悪い車を与えられました。
ヤマトではこのような場合、できるだけ修理をすることをせず
冷凍冷蔵庫にドライアイスを積載させて荷物を守り、
ドライバーには「窓からの風」で我慢させます。
なんででしょうね?
修理してほしいと訴えても、
「エアコンが効かない程度では修理に出しにくい。」、あるいは
「代車がない。」
と言われてしまいます。
いくら訴えていても修理してもらえず、とうとう夏の繁忙期を迎えてしまいました。
ヤマトではそういった車も珍しくなく、
過去には荷台の扉もろくに閉まらないものを使わされたこともありました。
経費削減だか古いものを大事に使う精神か何だか知りませんが、
ヤマトは商売道具であるトラックがおんぼろでクソばかりです。
そういった類のものをだましだまし使う。
それがヤマトの現状です。
とにかく、
その年の夏は記録的な暑さ。
窓から入ってくる外気はサウナのよう、ひとつも涼しくありません。
トラック車内は直射日光でハウス栽培小屋状態。
加えてエンジンが真下にあるので、常に熱源の上に座って運転している感じ。
それもあってか、エアコンを最強冷にしても生ぬるい温風が出ます。
仕事もしていないのに運転席に座っているだけで体力を奪います。
そんな中でもヤマトは帽子、重くて蒸れる安全靴、
首元のボタンをひとつたりともはずすことを許しません。
バカでしょ?
タオルを首からかける、ベルトからぶら下げるなどもってのほかです。
そして熱中症対策に、とクールネックバンダナを配布し、
OS-1をセンターに常備しているのです。
バカでしょ?
それなら最初からクーラー直せよ。
OS-1は不調を感じてから飲んでも遅いんだよ。
顔から一日中汗が玉のように吹き出して止まりません。
額からの汗が次から次へと目の中に入って何度も視界を奪います。
タオルが一日何枚あっても足りません。
水分を取っていますが、一日1Lでも足りないくらいです。
下着は上下汗でベタベタ。
顔や首回り、ザラザラです。
一瞬、砂かと思いました。
汗が乾いた塩です。
その日の昼、体に異変を感じました。
まず軽い頭痛から始まり、それが夕方に向けてどんどん強まっていきました。
ある軒先でふらふら、応対もやっとの状態になりました。
最初はただの疲労かと思っていました。
徐々にハンドルを持つ手が痺れ、呼吸が荒くなり、気が遠くなりはじめ、
顔全体も痺れてきました。
意識が遠のき始めたので、
僕は必死でトラックを路肩に駐車してキャビンから這い出し、
路上であおむけで倒れこみました。
涼しい・・。
外の方が涼しいのです。
おかしいでしょ?(笑)
トラックのキャビンの中よりマシなのです。
遠くで救急車を呼ぶ声、僕を介助する住民の声、
僕に水を飲ませようとしますが、顔が痺れて硬直していてうまく飲めません。
口がひょっとこのように固まっていて動きません。
救急車のサイレン、救急隊員の声がしたのを覚えていますが、
どんな受け答えをしたのか?
全く記憶にありません。
気が付けば救急車に揺られ、病院で点滴を受けていました。
支店長がかけつけ、のちに連絡を受けた妻子がやってきて
ベッド脇に僕の様子をうかがいにきました。
長い点滴を終えて帰宅を許された時には日が暮れていました。
後に聞いたことなのですが、
妻子は病院で支店長からエアコンの効かない車に乗せていたことの説明と軽い謝罪を受けたようです。
僕は翌日急遽年休を入れられ一日年休扱い。
翌々日からまた出勤することとなりました。
この件は僕の知らないところで労災として処理されました。
僕になんの一言もありません。
見舞金?
そんなもんありません。
会社からの謝罪もないです。
会社として経口補水液を用意し、
水分補給の注意喚起をやっていたから
熱中症は自己責任、という姿勢?からでしょうか?
責任の所在がうやむやのまま再び出勤です。
出勤すると、一部同僚はこの話を笑い話にする無神経さです。
その上で、「会社の言うことをまともに守っていたら会社に殺される」
と言い、
会社の見ていないところで手を抜けとアドバイス。
この事件の後、
例のトラックは繁忙期で代車がないと聞いていたのに、
驚くほど素早く修理に出され、戻ってきました。
エアコンも冷凍冷蔵庫も以前とは見違えるようです。
これ、僕、怒っていいですよね・・?
普通に考えておかしくないですか?
何なんでしょうね、この会社。
上司のセンター長は、これを「身を挺した手柄」だと冗談っぽく言い、
「この会社は事が大きくならないと動かない」
と吐き捨てるように言いました。
この会社ではドライバーの人命は荷物より軽んじられている、
これはそんなことを思わされる典型的な事例でした。
ドライバーに法令順守、会社ルール順守徹底を強く要求する一方で
会社はドライバーを大切に扱うことがおざなり。
ヤマトでは安全第一営業第二という言葉がありますが、
さしずめここは、
安全第一、営業第二、ドライバーの命は三の次
荷物の後なんでしょうね。
一応会社は経口補水液を用意し、水分補給の注意喚起をやっていますが、
「口だけ」って感じですね。
その一方でドライバーには相変わらずエアコンの効かないトラックやウォークスルーを与えて集配させてますし。
熱中症には首元のボタンをはずすことが効果的と言われていますが、
炎天下でも形ばかりを気にして帽子や首元のボタンは徹底させますし。
ちぐはぐな感じです。
ユニフォームや靴だって佐川と比べて大変暑苦しく、配達しにくいものです。
ヤマトはドライバーの労働環境や命より
体裁のほうが大事なんですかね?
これから夏本番。
加えて今年はコロナ禍でマスク着用を命令されています。
ヤマトの対応が問われます、
といってもこの会社は何も変わらないでしょうね。
融通もきかず、客や世間の目ばかり気にして、ドライバーを酷使する。
僕の周りにはヤマトという会社に愛着を持った社員などひとりもいませんでしたよ。
それがすべてを物語っているのではないでしょうか。