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日常と日記
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歪さと美しさ

2018-02-17 | 日常
ケイト・モートンはミステリーの描き方もいいんだけど、なんといってもディテールがいちいちたまらないのです
今回の「湖畔荘」のアリスという登場人物は御年90才のミステリー作家なんですが、
彼女が買って住んでいるロンドンの邸宅。現代のロンドンです。
こじんまりとした古い屋敷で、彼女は最上階の一室を執筆部屋にしてるんですが、
そこは屋敷の前の持ち主が気の触れてしまった母親を閉じ込めていたいわゆる座敷牢だったんです。

そういうのがさらっと文章の中にまぎれてる。別におどろおどろしい文章ではないんですよ。さらっと。他の文になじんでる
(いびつ)すぎてくらくらします。ロマンチックって言っちゃ良くないんだろうけどこういうのにぞっとしつつ惹かれてしまう。
どんなものでもちょっと欠けてたり足りなかったりすると余計に美しく感じてしまうんですが、補いたい気持ちや知り尽くせない謎とかが萌えに繋がってるのかも。

アリスは一人コミュ症っぽい青年ピーターを秘書に雇っています。ていうかうまくピーターが釣られた。
そのピーターがとても可愛い。真面目で優しいんだけど、だからこそ人とうまくやれない。
図書館の司書の先生に少年の頃孤独を救ってもらった過去があります。
多分下巻で彼はキーパーソンになるかと思っているのですが。彼と「彼女」が謎を解き明かしてくれるのではないかと。

上巻しか読んでないのにわくわくが止まらない。下巻読むのが楽しみです
ケイトはオーストラリア人だから、よりイギリスの描写に夢があるのかも。大好きな作家の一人です。


これは「秘密」上巻で変な違和感があるのが下巻で一気に解ける。快感

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