黒髪

鍵を取りに来た息子を見て驚いた

スーツを着て、ブリーフケースを持って黒髪だったから！

その前までの金髪や赤髪やひげ仕様のヤンキーから180度の変貌

我が息子ながら別人か？と思うほど顔つきが違う
仕事ぶりを話す瞳はキラキラしてた

名札には研修中と添え書きされていた
仕事を初めて1ヵ月…そう、震災が起きる数日前が初出社日だった

ブライダルなので延期・キャンセルも相変わらず出ているが
毎土・日には数件の挙式や披露宴が行われているそうだ

先日9日の披露宴では新郎の父親が
「自粛するべきかとても悩みました。
実際東北地方から出席予定だった親戚は欠席となった訳で…」と
スピーチをしている人は勿論のこと会場にいた人が涙していたそうです

息子は照明・音楽を担当
もちろん新郎新婦さんからの希望も聞き入れ
効果的に演出する
…これが凄く楽しいよ～、他人様にありがとうと感謝されるって嬉しい
＝やりがいがある！

バンド活動をやりたいと言って仕事も決まっていない状態で一人暮らしを始めて
最初の仕事は飲み屋の客引きだったからとても心配した

歩合制だから稼げるときは20万以上になったけど
客にはゴミ・クズを見るような眼で見られ、時には因縁をつけられ…
仕事だからと割り切って土下座までしたとか
「あの仕事は底辺だったなー」と振り返った

いやいや母は、警察からお呼び出しがかかるか
刺青入れたとか言ってくるか…とホント心配だったんだからね
（店のオーナーがその筋の人と繋がっていたらしいから）
その時のいでたちはヤンキーというよりチャラいヤツって感じ

そんな人間が、たった1ヵ月であ～も変わるのか
仕事にやりがいを見つけた人間ってキラキラするんだと初めて知った

社員は圧倒的に女性が多く・息子が最年少（21）
PC入力の腕をかわれ、書類作成も任されてる
（いいように使われてるのかも～と言いながら嬉しそう）

給料はきっと今まで最低額だと思うけどなんとか暮らしていければ
それでいいやと言った息子は社会人として成長したと思う

言葉使いもマナーも身に着いて、
なにより「こういう仕事（ブライダル業）しているんです！」
と胸を張って言えるのは自分も嬉しいと言っていた

披露宴の食事は美味しそうで
（うまそう～いいな～食べたい～）と生唾ごっくんしながら仕事してるのも事実(笑)

専門学校の学費も高っいスーツ代は充分に元が取れた気がします