ちらしにまつわるエトセトラ

一枚のちらしにも込められた思いがあります!

「夢将軍頼朝」三田誠広著【読了】

2023-06-27 22:42:33 | 読書備忘録
2023年6月27日 22:34
鎌倉時代の歴史小説はたくさん読んだけど、考えてみると頼朝が主人公のものは初めてかも!【ネタバレあります】
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鬼武者(頼朝)9歳、四の宮(のちの後白河法皇)が通う上西院で母の元で女の子のように育てられているところから始まるストーリーは最後落馬が原因で命を落とすところで終わる。

大江広元や三善康信、西行、文覚との出会いや関係性が丁寧に書かれていて興味深かった。

歴史小説は小説であり、ノンフィクションではない。見えている事実はひとつだけど、真実はその時代を生きた人の数だけある。特にこの時代の公文書など資料が少なく、小説家の解釈の幅が広がっているのも面白い。

本当はどうだったのか…よりも、なるほど、こういうアプローチもあるんだと思いながら読むと楽しいよね。


聖女の救済」東野圭吾著【読了】

2023-06-21 07:52:44 | 読書備忘録

ネタバレあり

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1年以内に子供ができなければ離婚

約束だから!と離婚を切り出した実業家が殺された。容疑者である妻には鉄壁のアリバイ。そのアリバイ崩しに湯川先生ガリレオを巻き込んだ調査が始まった。

草薙が容疑者に惹かれていく様子
瀕死の猫を拾ってきて結果がわかっていてもずっと世話を続けた学生時代
後輩内海がガリレオを巻き込み、草薙と対決姿勢をあらわにする
このストーリーはいまいち好きじゃなかった。

ストーリーより謎解きを重視した内容なのかな。いや、多分、わたしはこの容疑者が好きになれなかったし、感情移入できなかっただけかもしれない^^;


言の葉は残りて 佐藤雫著

2023-06-16 06:10:07 | 読書備忘録

いつの時代も純粋さが自分を追い詰める…。鎌倉幕府三代将軍源実朝を主人公とした歴史小説。




摂関家の姫・信子が嫁いでくるという突然の縁談に対する不安や、陰謀、嫉妬、憎しみが渦巻く鎌倉幕府の中での若き三代将軍・源実朝の葛藤が細やかに描かれている。

また、信子の視点から描かれている実朝も新鮮で、諸説ある中、2人は寄り添って動乱の鎌倉時代に生きたことを信じたくなる小説でした。


サイレント・ヴォイス 佐藤青南 【ネタばれあります】

2023-06-01 06:49:46 | 読書備忘録
すぐに内容を忘れてしまうので、読書備忘録を書いています。ネバたれありますのでご注意ください。
 
2023.05.26
サイレント・ヴォイス
一昨年入院していた時に「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズを読み尽くしたけど改めて第1弾から読み直してみることに。それがこの「サイレント・ヴォイス」
 
第一話「Yesか脳か」
会社経営者の娘、3歳児が誘拐され、身代金2千万が供給された。
 
第二話「近くて遠いディスタンス」
被害者は武井朋彦無職。ギャンブルで身を持ち崩しパートで働く妻に生活を依存していた。殺害される数か月前に多額の生命保険がかけられ、その保険料が歯科医福永の口座から引き落とされていたこともあり、福永を被疑者として取り調べが始まった。
福永の医院の衛生士、木村歩美は暴力夫(梶原元就)から身を隠して働いていたが居場所が見つかり付きまとわれていた。愛人関係にあった歩美を護るため福永は梶原を武井として殺害することを決心した。
 
第三話「私はなんでも知っている」
占い師殺人
被疑者は小さな喫茶店で経営で占い師の手嶋奈緒美
被害者は妻が洗脳され多額の金銭を寄付している山本高臣。被害者の集めて奈緒美を糾弾しようとしていた。
真犯人、奈緒美の占いによって孫の脳腫瘍が小さくなったという偶然を信じたいがための犯行。
奈緒美はこの犯行によって、自分自身をも洗脳していた。
 
※小平氏女性教師強姦殺人事件:絵麻の恩師であり、また親友でもあった梶原裕子の真犯人をみつけるために刑事になった。15年経った今や唯一の専従捜査員となった小平山手署のベテラン刑事と山下と犯人を追っている。
 
第四話「綺麗な薔薇には棘だらけ」
結婚詐欺
被疑者谷田部香澄。キャバレーで働く自称ピアニストをめざす音大生
多額の金銭をだまし取った挙句に殺害を4人繰り返した
絵麻の後輩西野から取り調べのやり方を聞き出し、抗うつ剤を使った「なだめすかし行動」を抑圧していた。
心療内科医楠木ゆりかとのシリアルキラーコンビで、ゆりかがボスだった。
 
※小平氏女性教師強姦殺人事件:時効成立の日、2か月前の世田谷下馬の殺人現場に15年前の犯人のDNAと一致する毛髪がみつかる。
 
 

私は吉田茂のスパイだった~東輝次著、保阪正康編集~

2023-05-24 12:43:04 | 読書備忘録

中野学校出身の一工作員が書き遺した昭和史の証言で、吉田茂邸や近衛文麿邸に潜入して情報収集や盗聴工作を行った様子を克明に記録した本。2001年出版。

人間吉田茂に惹かれていく様子と任務に忠実であろうとする姿は矛盾するようで、納得できた。吉田茂の包容力、東の誠実であらんとする一途さと矛盾。新しい真実に触れた気がした。

どちらも好きになった(^^)