「白秋」に想ふ―辞世へ向けて

人生の第三ステージ「白秋」のなかで、最終ステージ「玄冬」へ向けての想いを、本やメディアに託して綴る。人生、これ逍遥なり。

「年暮る」

2015年12月31日 | Monologue & Essay
     風音はしなかったが、屋根の一部のトタンを打つ雨音を少しうるさく思いながら床に就いた。夜更けにいちど目を覚ましたが、トタンを鳴らす音は続いていた。それでもやがて意識は遠ざかり、つぎに微睡みからもどってくると、雨音はポツリポツリと小さく、間隔も長くなっていた。障子窓が白みをおびてきて、床のそばの時計の針も見えてきた。針が8時を回ったところで、おもむろに床からはなれた。ひとり住まいで、何もする . . . 本文を読む
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