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『赤毛のアンへの旅―あこがれのプリンスエドワード島へ―DVD+BOOK』(松本侑子・著、NHK出版)
初めての海外旅行は誰にとっても感慨深いものだろう。幸せな思い出がつまった旅行であっても、トラブル続きで思い出したくもないとしても。昨年9月の「赤毛のアンへの旅―あこがれのプリンスエドワード島へ」の旅が自分にとって初めての海外旅行だった。旅立つまでは不安と緊張の連続だったが、旅を終えてみるとトラブルはもちろんのこと嫌な思いも何一つない、最高の初体験だったと実感した。「夢のような」とよくいうが、本当に夢を見ていたのではないかと思うことがある。しかし夢でない証拠に、デジカメで撮った拙い写真が500枚近くパソコンに保存されている。旅で知り合った方々からいただいた写真も数多くある。松本侑子さんとの貴重なツーショットもある。写真にはプリンスエドワード島やノヴァスコシア州ハリファクスの風景を背にして、たしかに自分が写っている。
9月の旅に先立って、昨年4月~6月にNHK教育テレビで「3か月トピック英会話『赤毛のアン』への旅」が放映された。番組を見ながら、これから訪れるはずのプリンスエドワード島に立つ自分を想像した。旅から帰ると10月~12月に再放送があった。再び番組を見ると、今度は実感をともなった映像として自分に迫ってきた。プリンスエドワード島の風土やグリーン・ゲイブルズの佇まいが、2次元の映像を超えた3次元の実体験として自分の内に記憶されていたからだ。プリンスエドワード島の赤土の赤色は体験した者にしかわからない赤色だ。視覚だけではない。オバケの森の静寂さや清涼な空気もまた体験した者にしかわからない。ロブスターはプリンスエドワード島で初めて食したが、日本でどんなに高級なロブスターを口にしたとしても、プリンスエドワード島のロブスターに優ることはない。
番組をもとにして制作されたこのDVD+BOOKは実体験を鮮やかに蘇らせてくれる。松本侑子さんとご一緒に旅したわれわれは、収録されている場所の多くを実際に訪れた。松本さんと松坂慶子さんが談笑しているシャーロットタウンの街角。カメラの視角の外の(つまりカメラには映っていない)街並みさえ思い出せる嬉しさは格別だ。プリザーブカンパニーでは松本さんにお勧めのジャムを伺った。そのお陰で、映し出されたショップの光景の中へごく自然に入り込むことができる。実際に旅した場所に、実際にご一緒した松本侑子さんが映っていることで、海外旅行初体験の記憶が何重にも倍化された思いだ。収録された映像には、目に見えなくとも自分の体験も記録されているといえるだろう。これこそ最高の「永久保存版」DVDである。
もちろん「赤毛のアン」が好きでさえあれば(そう「心の同類」ならば)、このDVDと本は文句なしに楽しめる構成になっている。ため息のでるような美しい映像とともに、松本侑子さんと松坂慶子さんのお二人がアンの舞台となった場所へと誘ってくれる。本文では松本侑子さんが、アンの物語のさらに詳しい内容と奥深い魅力の一端を教えてくれる。しかし、それでも、もしも、もしも可能ならば、実際にプリンスエドワード島へと行ってみることだ。そしてさらに松本侑子さんとご一緒に旅することができれば、旅したひとり一人にとって、この「赤毛のアンへの旅―あこがれのプリンスエドワード島へ」の旅は忘れがたい体験となり、同時にかけがえのない思い出の品になるだろうと思う。
初めての海外旅行は誰にとっても感慨深いものだろう。幸せな思い出がつまった旅行であっても、トラブル続きで思い出したくもないとしても。昨年9月の「赤毛のアンへの旅―あこがれのプリンスエドワード島へ」の旅が自分にとって初めての海外旅行だった。旅立つまでは不安と緊張の連続だったが、旅を終えてみるとトラブルはもちろんのこと嫌な思いも何一つない、最高の初体験だったと実感した。「夢のような」とよくいうが、本当に夢を見ていたのではないかと思うことがある。しかし夢でない証拠に、デジカメで撮った拙い写真が500枚近くパソコンに保存されている。旅で知り合った方々からいただいた写真も数多くある。松本侑子さんとの貴重なツーショットもある。写真にはプリンスエドワード島やノヴァスコシア州ハリファクスの風景を背にして、たしかに自分が写っている。
9月の旅に先立って、昨年4月~6月にNHK教育テレビで「3か月トピック英会話『赤毛のアン』への旅」が放映された。番組を見ながら、これから訪れるはずのプリンスエドワード島に立つ自分を想像した。旅から帰ると10月~12月に再放送があった。再び番組を見ると、今度は実感をともなった映像として自分に迫ってきた。プリンスエドワード島の風土やグリーン・ゲイブルズの佇まいが、2次元の映像を超えた3次元の実体験として自分の内に記憶されていたからだ。プリンスエドワード島の赤土の赤色は体験した者にしかわからない赤色だ。視覚だけではない。オバケの森の静寂さや清涼な空気もまた体験した者にしかわからない。ロブスターはプリンスエドワード島で初めて食したが、日本でどんなに高級なロブスターを口にしたとしても、プリンスエドワード島のロブスターに優ることはない。
番組をもとにして制作されたこのDVD+BOOKは実体験を鮮やかに蘇らせてくれる。松本侑子さんとご一緒に旅したわれわれは、収録されている場所の多くを実際に訪れた。松本さんと松坂慶子さんが談笑しているシャーロットタウンの街角。カメラの視角の外の(つまりカメラには映っていない)街並みさえ思い出せる嬉しさは格別だ。プリザーブカンパニーでは松本さんにお勧めのジャムを伺った。そのお陰で、映し出されたショップの光景の中へごく自然に入り込むことができる。実際に旅した場所に、実際にご一緒した松本侑子さんが映っていることで、海外旅行初体験の記憶が何重にも倍化された思いだ。収録された映像には、目に見えなくとも自分の体験も記録されているといえるだろう。これこそ最高の「永久保存版」DVDである。
もちろん「赤毛のアン」が好きでさえあれば(そう「心の同類」ならば)、このDVDと本は文句なしに楽しめる構成になっている。ため息のでるような美しい映像とともに、松本侑子さんと松坂慶子さんのお二人がアンの舞台となった場所へと誘ってくれる。本文では松本侑子さんが、アンの物語のさらに詳しい内容と奥深い魅力の一端を教えてくれる。しかし、それでも、もしも、もしも可能ならば、実際にプリンスエドワード島へと行ってみることだ。そしてさらに松本侑子さんとご一緒に旅することができれば、旅したひとり一人にとって、この「赤毛のアンへの旅―あこがれのプリンスエドワード島へ」の旅は忘れがたい体験となり、同時にかけがえのない思い出の品になるだろうと思う。
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