![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/c7/74cad0b2907f3219e61eece4b2d3a044.jpg)
画像のZIPPOは、昨日の画像のものと同じで、これは裏面である。
直近の注文制作品であるが、いや正しくは、
注文に対するある意味を持った制作品であるが、
ここにニーチェの言葉を彫った理由は、
これを持つ人がこの言葉をきっと必要とするのではと思ったからだ。
“怪物と闘う者は、自らも怪物にならぬよう、気をつけるべきだろう。”
前半はわりとありきたりな言葉なのだが、しかし、
“深淵をのぞきこむ者は、深淵からものぞきこまれているのだ。”
後半が実に天才的かつ詩的な思想の言葉になっている。
ニーチェは、考えに考えを重ね、考えすぎる行為への警鐘を鳴らしつつも、
しかし自らは考えすぎて発狂し、肺炎か何かで死んだわけだが、
その人生と命と引き換えに、上のような金よりも重い思想と言葉を遺した。
まあキリストでもブッダでもいわゆる賢人でも、なかなか面白い言葉を遺していて、
思想を超越して、私自身が面白いと思った箇所を好きに彫っているわけだが、
やはり自分でもこの文字だけを彫ったものが一番好きだ。
もちろんデザインを彫ったものも自分の手による制作品なのでとても好きなのだが、
加齢とともに「あっさり」としたものが好きになる傾向は否めない。