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夢の羅列<吸血の午後>

2016-05-27 22:29:17 | Dreams



夢の羅列<吸血の午後>


夢の中で私は、知り合いと話をしていた。

どこかオープンカフェのような、それとも
少し洒落た公園に置かれたテーブルを二人で囲んでいるような感じである。

いや、囲んではいない。

テーブルが二人の脇にあって、お互いのヒザが見えるように向き合っている。

話の内容はなんだったか。

わりと長い会話であった。

話しているうちに私は左足のふくらはぎ辺りがチクチクと痒くなり、
ショート丈のカーゴパンツから出た足に手をやりポリポリと掻いた。

すると指先に何か異物感があったので下を見ると、なんと、
細い透明な管の先端が私のふくらはぎに吸着しているではないか。

しかも管の内部が不安を予感させる感じに赤くなっていて、
その管は太さが5ミリほどか、
それが地面に50センチほどいやらしく伸びているのだ。

伸びた先の地面を目で追うと、
そこには何かグニャグニャした白い半透明で気味の悪い生物がいて、
どうやら私の血をチュウチュウと吸っているようだった。

反射的に私は管を手で払った。

管は海の生物の触覚のようにシューっと胴体の中に縮んで見えなくなった。

「なんだこれ、ヒルか」

「ああ、これはヒルだな」

知り合いは驚くこともなく答えた。そして、
テーブルにあった塩とコショウの小さなボトルのうち塩の方を取り、
地面にうずくまったヒルに何度も振りかけた。

すると振りかけたのは塩ではなくて、何かの酸であったらしく、
「ギューッ」という断末魔のような音とともに白い煙がヒルから上がり始め、
見ているとヒルは無惨にも溶けながら焼けているようだった。

知り合いは何も言わずそれを見ている。

私は、固まってしまって何も言えずに5秒ほど見ていた。

いくらなんでもヒルとはいえ、この状態が続くのは見ているのも辛いので、
ヒルをもうすぐに殺してやろうとテーブルにあったハサミを手に取り、
刺すか切るかと身構えた。

するとヒルはなぜか灰色のネコに変わって、しかし溶けて焼けるのは同じだった。

ネコならなおさらだと、私はもう肚を決めて
溶けている首の辺りにハサミを突き刺すと、とにかく早く死なせてやるべく、
ハサミの先でグリグリと内部をえぐり、最重要な部分を探った。

ここだ、という感触が手に伝わり、私は迷いなくそれを断ち切った。

煙と悲鳴を上げていたネコがふっと静かになり、そして私を見た。

はっきりと私を、何か悟ったような目で見ている。

私もせめて最期を見届けてやろうと、ネコの目を見つめ返した。

終わり。


  怪物と闘う者は、自らも怪物にならぬよう、気をつけるべきだろう。
  深淵をのぞきこむ者は、深淵からものぞきこまれているのだ。 (F ニーチェ) (画像より)
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