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つづき。
最近、何かと忙しくて、
工房にはしばらく来ていなかった。
久しぶりのドアを開けると思わず「ギョッと」した。
何か雰囲気がまるで変わっていたのだ。
部屋の全面にポスターが貼ってあるのだ。
何十枚もの全て同じポスターが壁と天井に隙間なく貼付けてあった。
見るとそれは、
タレントの矢口真里が宇宙服のような衣装で笑っているポスターであった。
カラーは白、黒、青、銀、それだけの色が使われたプリントで、
しかも、そのポスターは一枚ずつホワイトマジックペンで、
所々を雑に塗りつぶしてあった。
「???」
おそらく大家さんが何かのサービスとしてやってくれたのだろう。
長年、世話になっているここの大家さんは、
このビルの上にある建設会社で、いつもいつも親切なのである。
私はそんな解釈をしてから一旦ドアを閉めて、もうひつの部屋へ向かった。
先ほどの部屋は彫金の工房で、今度は事務関係の部屋。
「ガチャ」
ドアを開けると見知らぬ女がいた。
つづく。