もう泣けて、泣けて...
野次馬根性で観てみたら、吸い込まれるように画面に釘付けになってしまった。
この件から、ちょっと競走馬について知りたくなり、いろいろ読みあさってる内に、とうとう「テンポイント事件」まで辿り着いた。
ジャカランダが青い空に映え渡ってました。
私は動物ものの動画を観るのが好きで、毎日寝しなに楽しんでいる。
ある日、偶然にタブレットに指がタッチして、競走馬の映像が流れた。
競馬は全く知らないし、興味も無いから閉じようとしたら、その様子が何か事件でもあったかのように物々しく閲覧注意となってる。
野次馬根性で観てみたら、吸い込まれるように画面に釘付けになってしまった。
どうやら競馬のレース中に、騎手と馬が転倒して、馬が骨折という大怪我をしたようだ。
騎手も怪我をし救急車に運ばれてる。
そのすぐ前で、左足がブランブランになり片足を上げた馬が痛みを堪えて無理して立ってる様子がいじらしい。
素人目から見ても、この足は尋常じゃないとわかる。
そんな状態でも、救急車に乗せられた騎手を気にかけて見つめてる姿が切ない。
なんて優しい馬なんでしょう!
ここで涙が溢れてきた。
しかし!
本当の涙を流すのは、これから始まる出来事なのです。
数分後、足を骨折した馬の周りを突然黒い幕で囲い、観客から見えないようにしたのです。
何? 何が始まるの?
なにか嫌な胸騒ぎがした。
暫くすると黒い幕は外されたが、そこには馬の姿はない!
まるでマジックショーで瞬間移動でもしたかのような光景だった。
横にトラックが停まってたから、この中に入れられて病院に運ぶのかなと思った。
しかし...
競馬に詳しい方なら、この時点で何が起きたのか察しがつきますね。
そうです!!!
その馬はたった今、殺処分されたのです!
数十分前には元気に走ってた馬なのに....
骨折してもう働けない馬はご用済みで殺されるのか!
なんて人間って残酷なの!
その時はそう思い、可愛そうて、悔しくて、大粒の涙が止まらなかった。
もうこれ以上観るのは止めようと思ったが、投稿者の「これも競馬の現実、なぜ助からないかは説明文をお読み下さい」のメッセージが目に入った。
すると、意外な事を知ることとなった。
馬にとって、骨折は致命的で、歩けなくなると古い血液が足に溜まって、酷い痛みを伴い、全身に血液を回せなくなり、心不全で死亡する事が多いのだそう。
だから苦しく長い療養生活を送り死を迎えるより、獣医が安楽死を勧めるそう。
そうか、殺処分されたのではなく安楽死させてあげたのですね。
でも、こんなに早く安楽死させるなんて、ちょっと納得できないな。
この映像の馬の名前はヒルノアマランテ号。(冒頭の写真の馬ではありません)
2023年1月、中京競馬での出来事。
その馬をわが子のように世話してきた厩務員さんの姿にまた涙が流れた。
安楽死させられてる横で、車にうなだれて頭を上げられない様子が写ってる。
きっと男泣きしてるのでしょう。
この件から、ちょっと競走馬について知りたくなり、いろいろ読みあさってる内に、とうとう「テンポイント事件」まで辿り着いた。
競馬ファンならどなたでもご存知の昭和史に残る一大事件だったのですね。
お恥ずかしながら、私は全く知らなかったです。
数々の名勝負を残した競走馬の流星の貴公子だったテンポイント。(冒頭の写真はテンポイントではありません)
骨折したテンポイント、本来は安楽死させるところだったが、全国のファンから「殺さないで!」と電話が殺到し、ついに手術を行なった。
しかし、予後が悪く、やせ細り、しだいに衰弱し、苦しみ抜いて事故から42日後に力尽きた。
わずか6歳だった。
こんな悲しいことがあったのですね。
テンポイント物語「もし朝が来たら」を観てみました。
馬舎には全国から届いた千羽鶴が沢山吊り下げられて、人気の高さを物語ってた。
切ない映像でした。
大の馬好きだった大橋巨泉さんのコメントが深く心に残ります。
「恥ずかしさと悲しさと失望で物を言う気になれない。
一番悪いのは、こんな真冬に競馬をやること。
雪の降る中で、競馬をして骨折したと聞いたら、英国や仏国の調教師たちは日本を軽蔑するだろう」
それは雪の降る1月のことだったのですね。
今までは競馬の転倒というと、騎手の事ばかり心配になったが馬の事は考えたことなかった。
ひょんなことから未知の分野に足を踏み入れてみたら、思いがけない悲しい事実を知ることになりましたが、知れて良かったと思ってます。
これからは苦しむ馬が出ないように祈るのみです。
テンポイント君、ヒルノアマランテ君、この次生まれてくる時は、野原を自由に走りまくれる野生馬に生まれてきなさいよ〜
なにせ競馬については全く無知の私ですので、本文中に間違った箇所があればご指摘下さい。
ジャカランダが青い空に映え渡ってました。