「官僚社会主義」とは言い得て妙であるが、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」という憲法第15条などどこ吹く風、自己利益と省益のみを追求し、国益を毀損する官僚とそれに結託する政治家の悪行がこれでもかというほど徹底的に洗い出されている。
第二次安倍政権時、官僚から表向き権限を剥奪する「政治主導」が実現したが、それは、アベシンゾーとその取り巻き連中の私益を追求するべくそうなったのであって、その私益を忖度する限りにおいて、官僚は実質以前よりやりたい放題となった。
本書が出版されて約20年、事態は好転するどころか明らかに悪化している。権力の不正を地道な取材で暴く本書のような取り組みがなされなくなったことも、その一因であろう。
なぜ日本は変われないのか―それは過去の「改革」が、「特殊法人」「天下り」「役人の行動倫理」など、問題の原因ではなく結果、深層ではなく表層ばかりに焦点をあててきたからだ。真の改革のためには、日本の政治・経済のあらゆる過程に根を張り、行革をも奇貨として膨張を続ける「官の支配システム」に目を向けなければならない―ベストセラー『公益法人』の著者が、「史上もっとも成功した社会主義国」日本の病根に迫る。
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