第43図
さて、人間の活動の多くは
その人の肉体に
左右されるものである。
これは両親によって
用意されるものであるから、
両親からの遺伝ということが
重要なこととなる。
最近我々はメンタルの
“遺伝子”という言葉で
遺伝を考えている。
即ち遺伝子というのは、
両親の生殖細胞の中にある
肉体的特性の単位である。
この中からカルマの神々は、
カルマの要求する肉体のタイプに
役立つような遺伝子を
選ぶのである。
ここに私は自著
“智學と近代思想”の
中から引用してその説明を試みよう。
これは43図の説明にもなる。
此処でまた見える世界と
見えない世界とで生じる問題を
考えることとなる。見える世界、
即ち形体の面からいうと、
人間は肉体を持って居り、
肉体は様々な因子で作られている。
(著者註。1914年にこの本を
書いた時には、“遺伝子”
という語が
発明されていなかったので、
ベートソン氏の“因子”
という語を使っている。
これは今の言葉でいえば
“遺伝子“の言葉である。)
しかし、
この因子は或る者のには極めて
都合がよいが、
或る者には損な場合がある。
即ち、或る者は立派な体格を
与えられているが、
或る者は、鳥目であったり、
血友病であったりし、
又或る者は音楽的だが他の者は
つんぼや唖の場合がある。
色盲の因子をもつ家族には、
一人は普通児だが、
三人は色盲の子が生れる。
何故三人はこんな
ハンディキャップを負い、
一人だけが負わなくても
よいのだろうか?
人間の運命の謎を説くには、
生命の面に目を
転じなければならぬ。
そこには三つの要素が
作用するのである。
その第一は、人間は魂(エゴー)で
あるということである。
魂は神界に於ける
不滅な仲問である。
ずっと昔、魂は人間となって
生れて来たのであるが、
今は胚珠の中にひそんでいる。
魂は過去に幾度も
地上に生れて来て、
善いことも悪いことも考えたリ、
感じたり、行って来たりし、
又自分や他人を助けたり、
妨げたりする力を慟かせて来た。
魂は束縛されていて、
決して自由ではなかった。
しかし魂は
一つの理想を追求し
幾代となく生きて来た。
その理想とは
その魂の原型のことである。
植物や動物に形体上の原型が
あると同じように、
人間の魂にも原型がある。
即ち或る人は悲悲深い聖者、
或る者は真理の教師、
又ある者は人間の統洽者となる。
芸術家と科学者、
実行家と夢想家は
夫々自分の原型を
自分の前に置いている。
原型というのは神御自身の
お考えのことであって、
このお考えに従って、
人間は神から与えられた
自分の気質を
完成して行くのである。
魂は夫々、自分の仕事を、
見つけることにより、
原型を完成して行くのである。
我々が魂として、
この世に生れ出て来るのは
この為である。
即ち我々は自分の仕事を発見し、
その仕事を達成しようとして
環境とたたかい乍ら、
自分の内にある秘められた力を
解き放とうとするのである。
しかし、その仕事を
して行くには、
肉体がなければならない。
働くのに、肉体が助けとなったり、
ハンディキャップと
なったりするのは、
肉体をつくる
因子によるのである。
此処でもう一度いうが、
偶然に様々な因子が
来るものではない。
天使が人間の運命を
助けようとして来て下さる。
この天使がカルマの神々であって、
人が種子を蒔き、
それを刈りとるという
正義の大法を
司る見えない智恵の神々である。
この神々は両親によって
用意されている因子の中から、
生れ出ようとしている魂の為に
肉体要素を選ぶのである。
そしてその魂の為に
カルマが割り当てた特別な身体で
学ぶべきことを学び、
為すベきことを為すのに一番役に
立つようにして下さるのである。
カルマの神々は
罰しもしなければ
賞めもしない。
ただ人間の過去の力を調節し、
新しく調整されたその力が、
人間が原型に一歩一歩
近づいて行くのを
助けるようにするだけである。
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