Entrance for Studies in Finance

日本証券経済研究所『図説日本の証券市場2012年版』同研究所, 2012 No.3(債券 / 金融政策)

日本証券経済研究所『図説日本の証券市場2012年版』同研究所, 2012 No.3(債券)
公社債 公共債 国債 地方債 政府関係機関債
    民間債 普通社債 新株予約権付社債 円建て外債・外貨建て外債 金融債

国債 公募入札方式(シンジケート団引き受け方式は2006年度以降は廃止)
    コンベンショナル方式 各落札者の入札価格が発行条件となるもの
    ダッチ方式 募入最低落札価格(最高利回り)が発行条件となるもの

 財政規律を無視した国債発行 日本の政府債務残高はGDPの250%(日本政府は低金利による国債費の抑制 2019年10月の消費税引き上げ 高成長によるGDPの増加によりこの比率が2016年度の189.5%?をpeakに下がると予測している。では金利が上昇するとどうなるか。GDPが想定通り増加しないとどうなるか。)財務省HPの数値は2016暦年で232.4%(政府債務残高GDP比)で世界で最も高い数値となっている。なお現在、日本銀行保有分が激増して民間保有分だけでみれば、国債問題はコントロール可能になってきたという言い方がある。

 国の財政の健全度を示す数字としてもう一つよく引用されるのは、基礎的財政収支、政策に使える経費をどのくらい税収で賄っているかをしめす。日本は1992年度からこの数値が赤字。別名プライマリーバランス。この数値の対GDP比の数値もよく問題になる。2018年度にGDP比1%、2020年度に黒字化が安倍政権の目標だったが、2017年1月の試算では、2020年度の赤字は6.4兆円で、黒字化は実現不可能になっている。

          国債の国内保有比率95%

地方債・政府関係機関債・財投機関債・・・・引受シ団方式が多い

民間債 引受幹事証券による発行条件決定 プレマーケティング 投資家の需要予測 

公社債売買 債券デイーラーの比重が高いという特徴
      国債 流動性の高さが好まれる リスク回避

売買される場所 店頭市場が圧倒的 種類が多いこと 取引の形態が標準化できないこと

2013年1月 白川方明総裁物価上昇目標2%の導入(政府日銀間アコードとも呼ばれる)

2013年4月 日銀 黒田東彦総裁 量的質的緩和政策QQE=異次元金融緩和導入 マネタリーベース年間拡大額60~70兆円
      質的とはETFやREITなど リスク資産の買い入れをいう 相続税の増税 

      金融機関・保険会社などに与える影響

      金利低下進むと 含み益→自己資本増加 より大きなリスク引受へ向かう バランスシート効果 

      年金・保険 契約予定利率達成のため リスクシフティングあるいはイールドハンティングに向かう

2014年10月 FRB 量的緩和政策終了 前後よりドル高(円安)進む 
2014年10月 日銀 QQE拡大(追加緩和) 年間80兆円程度
2015年3月 欧州中央銀行 量的緩和政策開始

2015年12月 FRB 利上げを実施 金融政策正常化進める(FRBの量的緩和政策は2008年11月開始➡ドル安・円高に転回)>

                   日銀 補完措置を導入(買入れ国債の残存期間長期化)

2016年1月 マイナス金利決定(欧州中央銀行が2014年6月に採用 マイナス0.1%) 通貨供給増加額および準備預金でのマイナス0.1%金利

2016年2月 マイナス金利政策導入* 

   銀行は本来さげるべき 短期プライムレート(企業向け貸出で 大手行で3割 地域金融機関で4割)の引き下げに抵抗 引き下げは収益に直結 大手行では市場金利連動貸出が半分程度 地域金融機関では大手で2割程度の固定金利貸出が5割から6割を占める。

   また大企業向け貸出金利の基準とされるTIBORも下げ止まっている。もちろん預金金利でもマイナス化はしていない。
 生保・地銀など 国債投資純減へ 外債投資伸ばす
 個人 資産における現金(タンス預金)増やす 元本毀損のある投資 手数料で目減りする普通預金も避ける
 *前段としてのゼロ金利政策 ITバブル崩壊後の2001年3月~2006年7月 その後リーマンショックのあと2008年後半05.%から0.1%へ。ゼロ金利化によりマネタリーベースの増加にコストがかからなくなり、決済に必要とする以上にマネタリーベースマネー膨らむ(40兆円→400兆円)。しかしそれが通貨供給に影響することもなかった。

2016年7月29日 ETFの買い増し決定年間6兆円に倍増(3.3兆円から6兆円) 

          +オーバーシュート型コミットメント導入:物価上昇率が2%を維持できるようになるまで金融緩和政策を続ける

  2016年9月21日 長短金利コントロールの導入 買入れ割合の変更 TOPIX型約7割 日経平均型約3割 


2016年10月 総括的検証➡長短金利操作付き量的質的金融緩和 イールドカーブコントロール➡本当の狙いは国債購入を減らしてゆくこととの指摘もある マイナス金利の長期化(長期金利のマイナス化)⇔金融システムリスクを広げる
 マネタリーベース増加額の弾力化(量的緩和政策の限界を認める)
 日銀そのものが含み損を抱えるリスクが指摘されている
 短期金利はマイナス深堀の余地 長期ハプラスにして金融機関の収益➡貸出意欲に配慮 
 日銀が長期金利を0%に誘導する政策を導入➡0%程度で安定(値動き少ない)、反面 売買高が急減
2016年11月 トランプ大統領選で勝利
2016年末 国内銀行貸出金利の1%割れ 0.998% 銀行の収益悪化 銀行は変額保険 生命保険 投資信託販売を活発化 外債投資も増やしている(借り手選別も強まる)

2016年の確定申告より財産債務調書提出義務付け 3億円以上の財産を持つ人など

2017年春の情勢
国債金利の低下
 日銀が買い続けていれば転売できるが 残存期間の長いものにシフトで利回り確保
 日銀が購入を止める可能性があると国債を買えない
 将来は日本でも金利の急上昇の可能性(多額の含み損が懸念される 超長期債の購入に対して懸念あり)
海外勢
 ドル売りで利益がでるので
 
外債投資へのシフト
 金利上昇リスクがあるとボラテリテイ高まる 米国金利の急上昇 米国債は急落(2016年11月以降)➡地銀に損失

日米金利差拡大 理論上は円安・ドル高圧力 

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