Entrance for Studies in Finance

ロボットアドバイザー(ロボアド)とファンドラップ

ラップ口座 ファンドラップ ロボアド

 ロボアドは個人の低コスト運用のニーズに対応 資産運用を請け負うラップ口座の2-3%の手数料に対してコストは0.2-1% 運用助言サービスを低コストで提供するもの

 もともとラップ口座のサービスを低コスト化したものとして、ファンドラップがある。これは投信を組み合わせて顧客のリスク受容度に応じた運用を行うというもの。組み入れ投信にはインデックス投信が使われることが多い(信託報酬年率はインデックス型で0.6% アクテブ型で1.7%)。スラップでは市場環境に合わせて(株式 債券 REITなどへの)運用比率を柔軟に変化させてゆく点が一般の投信とは違う。しかし実際は、手数料が高い投信をさらに手数料を取って運用するファンドラップでは一段と手数料が高くなる(総コスト年率は平均で2.2%)。
 ロボットアドバイザーは、投資の選択、あるいは組み合わせ自体を、提案するというもの。コストは0.2-1% 運用助言サービスを低コストで提供するが選択は投資家に任せるというもの。サービスの提供そのものは無料というものもある(その後の運用に対して手数料をとる)。
そのフローは
 年齢 投資歴 リスクへの姿勢 → リスク許容度を算出 → 最適な資産配分を提案
 三菱UFJ国際投信 2016年3月 ポートスター
 お金のデザイン 2016年2月 THEO(テオ)を提供 年間手数料1%
 みずほ銀行 2015年10月 スマートフォリオ
 日本では投資信託のコストの高さが問題となっていた。たとえば日本の投信の信託報酬は平均が1.2-1.3%(2016年3月時点) 米国の0.7%(米国ではインデックス投信(インデックスファンド)やDC向け投信の規模が日本より圧倒的に大きいことが手数料の差にあらわれている つまり日米のファンドの構造の差が大きい)の倍とされる(純資産残高上位投信の比較では日本の1.53%  米国は0.28% なので4倍)。つまり日本の投資家には手数料に目覚めて、インデックスファンドに移動することが必要とされる。

手数料に敏感な機関投資家が私募投信を増やす

 運用会社は手数料が低いインデックスファンドの組成・販売に熱心でないとされる。つまりわざわざ自分の収入を減らすことはしない。販売手数料をとり信託報酬を運用会社と分け合う証券会社も同じである。他方で低手数料を求めるロジックで私募投信が伸びている。こちらは機関投資家を相手に運用会社が組成するもの。

インデックス型とアクティブ型

投信のなかでインデックス型は2016年8月末で150本8000億円程度。その信託報酬は低いものは0.2%前後。国内アクテイブ型の平均は1.5%程度。高いものは2%を超える。インデックス型はおおむね1%未満。購入時手数料は0-3%。ネット経由では購入時手数料がゼロのもの(ノーロードファンド)もあるが、しかし投信の残高では全体の5%程度で、大半は対面営業で売られている。
 ネット世代が投資家の主役になることで、こうした状況は変化してゆくとは思われる。
 スマートインデックス スマートベータ
 インデックス型の低い信託報酬というメリットを生かしながら、少しでも有利な投資信託というコンセプトがスマートインデックス型投信
 インデックス型はインデックスそのものが低迷したり株価が乱高下する状況では利益を確保しにくい。そこですでに出ている視点がスマートインデックスそしてESGである。古くは小型株とか中国株など投資対象を明確にした投信もあるが、正直に言えば運用方針はアイマイ(投資対象の選択・売買のタイミングはすべて運用会社に任せるが、運用会社を信用できない問題がある)。顧客のために運用しているか。顧客として信用できないというのが投信の現実だった。  ESG投信も投資のコンセプト  2014年12月 改正投信法施行で分配金含めた通算損益を定期的に通知することが義務化された

他方 運用対象を高利回りのものに限定することで、高い利回りを追求することをうたう投信もある。そのものずばりなのはハイイールド債(低格付け債)投信。これは格付けの低い債券(投資不適格とされるダブルB格以下に大半)に投資するというもの。対象は無担保、固定金利の債券。2014年に日本で注文されたのは、バンクローン投信。これは格付けの低い企業向けの貸付債権を運用対象としたもの。社債と異なり有担保、変動金利なので、担保付きであり、元本の安全性が高く、変動金利であるので、金利の変動に強く、金利変動時の価格変動リスクは小さい。REIT投信も同じである。ハイブリッド証券投信も同様。

2007年10月当時いわゆるグロソブ(グローバルソブリンオープン)が突出した人気を誇った。5兆6000億の資金を集めていたが、これは先進国の高格付け国債に投資するというもの。その後2008年の金融危機を経て国債利回りが低下したことから、投資家は高利回りの投信に関心を広げるようになった。

 

山崎元 ラップ口座がダメな理由 20150218

  

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