袋田病院ブログ

茨城県大子町にある精神科・直志会袋田病院のブログです。

“何故”を考える。アートフェスタの動機と意義について。 ~ディケア・U~

2015年10月09日 12時11分58秒 | 院内誌 「輝」 より
輝10月号より

“何故”を考える。アートフェスタの動機と意義について。

 僕は2年程前の《輝》のこの造形便りにアートフェスタを何故行うのか?
という議案について少し書いたことがあります。
大まかな流れの中で、誰が、いつ、どこでアートフェスタを行うのか、というのは会議の中で毎年自然に決まっていきます。
しかしそれぞれの部署が企画を練りながら進めていく中で行き詰まるのが、what(何を) how to(どうやって)やるのか?
という方法論の問題が有ります。
僕が各部署の相談を受ける時は大抵この2つの論点に終始しているように感じます。
勿論1年目でアートのことも良く解らない、アートフェスタのこともよく解らない様な段階の委員に、
「頑張って自力で考えて下さい」
という様なアプローチはしていません。
それに対して何らかのヒントとなる様に僕は毎年繰り返し勉強会を開いて、参考になるような展覧会やアートプロジェクトの現場の例(画像)を情報として取り上げ、解説をしながら皆さんに紹介しています。

更には定期的にこの《造形便り》で少しづつユニークな(??)アーティストの紹介をするようにしています。
他にも各部署の委員と何度も何時間も繰り返し面談やミーティングの機会を時間の許す限り設けてきました。
このような色々な方法論やヒントをこの3年間で皆さんに幾つかの形で提供してきたつもりですが、最も本質的な問題がそれぞれの部署、各委員の中に落とし込めていないのではないか?という不安も感じています。
それは最後の要素として各々に突きつけられる最後の問い、“why?”(何故アートフェスタを行うのか?)という最も切実な問題です。
形式的なアートフェスタの大義名分を会議でそれらしく掲げることは恐らく如何様にでも出来得ると思いますが、それを各自がどのように個人の動機に結びつけるか。
そしてアートフェスタに関わる意義とモチベーションを部署としてどうやって見出していけるか、という課題は、僕達1人1人の最も根本的な課題なのだと思います。
 
 例えば、部署の企画をメンバーさんのスキルアップや社会参加の特別な契機と位置づけ、それを目標として設定するのも一つの例としてあるのかもしれません。
しかしそれはあくまで一つの解りやすい例であり、委員各自が、そして職員一人一人が自分自身の体験や思考を通して、考え、トップダウンの与えられるものではない、自分の動機や意義を各自の力で見出して欲しいと願っております。

※ お知らせ
《大子町まちの芸術祭》が10月24日(土)から11月3日(火祝)までリフレッシュセンターで開催します。デイケアとOTのメンバーが出展します。お時間ございましたらどうぞご高覧ください。

~ディケア・U~

管理人Hより
こちらの記事は院内スタッフ向けなので、読者さん向きでは無いのかも知れません。
しかしど~~~しても掲載し「その熱」を感じ取って頂けたらと。
そんな思いでお願いし掲載しました。
本当はこんなこと管理人が書くのも・・・という思いもありますが・・・。
袋田病院では毎年秋にアートフェスタを開催しております。参考までに過去の記事から、その模様について書かれた物を下に貼っておきますね。


その1

その2

その3