1995年のドラフト会議で福留孝介選手(近鉄バファローズが指名権獲得)、原俊介さん(読売ジャイアンツが指名権獲得)の外れ外れドラフト一位で中日ドラゴンズから指名され、熊本・熊本工業高から入団しました。
この年の高校生内野手は千葉・銚子商高の澤井良輔さん(元千葉ロッテマリーンズ)と大阪・PL学園高の福留選手が東西の両横綱でした。
荒木選手も大型内野手であり、高校では2度、甲子園に出場していましたが、正直なところ目立った選手ではありませんでした。
プロ入り後も、なかなか芽が出ませんでしたが、2001年にようやくセンターに定着し、2002年からレギュラーとして起用されましたが、ひ弱なバッティングがネックとなっていました。
その後、2004年に落合博満監督が就任すると共にセカンドにコンバートされ、「井端との二遊間コンビは12球団一の二遊間コンビは12球団一。二塁手単独ならメジャーの超トップクラス」と評価されるようになりました。
課題のバッティングの方は相変わらず、波がある選手なのですけど。
そんな荒木選手ですが、試合後には必ず素振りをやっているそうです。
一日200スイング
これは、頭の中にある理想を筋肉に伝え、忠実に振る訓練をしているといいます。
そこでフォームが固まって、初めて練習のボールが打てる。その繰り返しが自分を変えると信じているとのことです。
高校時代のチームメイトだった福岡ソフトバンクホークスの松本輝打撃ピッチャー兼スコアラー(ドラフト2位で現ホークスに入団し、2016年に東北楽天ゴールデンイーグルスにトレードで移籍。2011年に現役を引退)は、高校一年のときに初めて練習で見た荒木選手のことを「守備と走塁は凄い」と思ったそうです。一瞬で目を奪われたとのことです。「塁に出たら、2球で(2盗塁して)三塁に行ってるようなやつだった」と言っており、俊足には何度も助けられたそうです。
「ホームラン競争しても、僕が勝ってたし」と言い「バッティングは目立たなかったのに、2000本。あいつが2000本打つのは凄いなと思う」としみじみ語っていたそうです。
プロでは、1度だけ対戦。イーグルス時代の2008年6月9日の交流戦で、センター前に打たれたとのことです。高校時代には紅白戦でも対戦することはほとんどなかったため、最高の思い出の一つとなったそうです。
ずっと、努力する姿を見てきて「(高校時代は)ノックでも一つのことをずっと。同じことを繰り返しやるタイプ」だったそうです。
荒木雅博選手。プロ22年目。
積み重ねたヒットは1999本。
地道に積み重ねてきた証が刻まれようとしています。