野球小僧

「めしばな刑事 タチバナ」 坂戸佐兵衛・旅井とり

今年読んだ本の中で、私自身の中で最高のホームランが、この本です。
まず、”めしばな”とは”飯(めし)の話”のことです。

めしばな刑事タチバナ 3 (トクマコミックス) めしばな刑事タチバナ 3 (トクマコミックス)
価格:¥ 580(税込)
発売日:2011-10-08


食を扱ったマンガは「包丁人 味平」から始まり、数々を読んできましたが、この本はちょっと一線を画すものでして、実際に存在している(していた)、お店のメニューや商品を徹底的に語りつくすことです。
しかも、毎回語るテーマが、身近にあるものばかりです。主人公が見るからに中年ぽいおじさんであるためか、読んでいて非常に親近感がわいてきます。

第1巻
「カレーかつ丼」、「カルビ焼肉定食」、「牛丼」、「袋入りしょうゆラーメン」、「コロッケカレー」、「フライドチキン」、「立ちそば」、「えび天そば」、「餃子ライス」

第2巻
「餃子」、「袋入り焼きそば」、「うな重弁当」、「さぬきうどん」、「たい焼き」、「回転寿司」、「こってりラーメン」、「ナポリタン」、「かつ丼」、「牛丼」、「カンヅメ」

第3巻
「やきとり缶詰」、「さば味噌煮缶詰」、「さば水煮缶詰」、「さんまかばやき缶詰」、「しょうが味噌ラーメン」、「あっさりラーメン」、「カレーうどん」、「カップ焼きそば」、「袋入り即席焼きそば」

以下、連載中。

私がいちばん印象に残った話は第8ばな「フライドチキン」。
27年間勤続している中学教師が、万引きをしてしまう。自転車で逃走しようとしたときに、店員と接触してケガさせてしまう。こうなると”窃盗”が”強盗致傷”となり、罪が重くなる。ここで、取調室で取り調べならぬ、”めしばな”を展開する立花刑事。
内容は「フライドチキン」のうんちくもありますが、カーネル・サンダースさんの生涯が主体。


20代でケンタッキー州でガソリンスタンドを経営

39歳のときに、大恐慌に巻き込まれ、すべてを売り払う
40歳で、もう一度スタンド、レストラン経営を始める
50歳前にフライドチキンを考案
60代半ばのとき、店の経営が悪化し、店を売り渡す

残ったのは、自慢のチキンのレシピのみ

66歳のときに、レシピを売り、売れた分だけロイヤリティをもらうことを始める
74歳のとき、経営権を売却
その後、世界中のフランチャイズを周り、90歳で亡くなる

万引きで職を失うことに対して、恐れる教師に対して、カーネル・サンダースさんの人生とフライドチキンを引き合いに

「65歳で全てを失い、そこから億万長者になった
究極の”遅咲き王”の人生に触れる食い物ってことだよな」

と締めくくる(オチは別ですけど)。


何歳になっても、やる気があれば、人生はどうにでもできるということを言いたかったのでしょうね。

何しろ、読み終わった後、無性にテーマの料理が食べたくなること請け合いです。

「お前たち、食っぴくぞ!」

コメント一覧

まっくろくろすけ
おはようございます。
おはようございます。
私も、この話は”なるほどなあ”と思いました。
最後の決めゼリフ。
太郎のお気に入りです。
eco坊主
おはようございます。
おはようございます。

漫画本の紹介かと思いきや
内容を引用しての””人生論”” 深イイなぁ~

>何歳になっても、やる気があれば、人生はどうにでもできるということを言いたかったのでしょうね
 ↑は35歳(?)で怠惰している男へのアドバイスですね!!!サンキュー

最後のオチ  満点大笑です。
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