中日ドラゴンズが1996年まで本拠地としていた野球場です。
現在は二度の改修工事を経て、二軍専用の野球場として使用されていますが、グラウンドや内野スタンドの一部はそのまま使用されていますので、昔の雰囲気を感じることが出来ます。
ドラゴンズの一軍がナゴヤドームへ本拠地を移転する前には、夏の時期に親子試合(昼間は二軍・夜は一軍)をよく観に行きました。
この球場付近には駐車場がないため、当時は電車で観に行ったものです。
現在の最寄り駅はJR東海道本線の尾頭橋駅と名鉄の山王(旧名; ナゴヤ球場前)駅で、名古屋駅から1駅で、駅からも徒歩7分ほどですが、以前はJRの臨時駅でナゴヤ球場正門前駅があり、徒歩1分という、今のナゴヤドームよりも至極便利なアクセスの良さでした。
ちなみに、このナゴヤ球場正門前駅ですが、一軍が本拠を置いていた1987年~1994年まで営業していました。
最終営業日は1994年10月8日。そう、あの国民的行事と言われた「10・8」の試合を持って、一軍のナゴヤ球場の歴史とともに、改札口が閉じられました。
現在のナゴヤ球場はレフト外野席の跡地に選手寮と室内練習場新設されて、球場への入場口へ向かわないと往年の姿を見ることが出来ません。
そのナゴヤ球場の歴史は波乱万丈でした。
1948年の開場で当時は中日スタヂアムと呼ばれていました。略称は中日球場です。
どうでもいいことですが、名古屋駅前に「大名古屋ビルヂング」があります。「ヂ」の字がよく使われる土地なのでしょうか?
開場当時は木造建築で、タバコの吸殻を捨てた事によるボヤが度々発生しており、ついに1951年8月19日には読売ジャイアンツとの試合中にスタンドが火災になってしまいました。
1952年4月5日に鉄筋コンクリート造りで建て替えた球場が完成します。
1953年6月20日に日本で4番目となる照明設備が完成します(後楽園、大阪球場、西宮に次いで)。1963年にはカクテル光線化されます。
1962年から試合のない日にはゴルフ練習場としても利用されていました。
しかし、1975年には運営会社が倒産し、新たに株式会社ナゴヤ球場が設立され、現在のナゴヤ球場に名称を変更しました。
1980年にレフトスタンド後方にピッチャーの球速を表示する「スピード表示電光掲示板」が設置されました。
1987年に改装により、照明塔が6基に集約され内野スタンドも大幅に増築されます。
1988年の優勝時にファンがグラウンドへ乱入したため、1989年に外野フェンス直後に昇降式のネットが取り付けられてしまいます。
なお、1980年代には夏の高校野球愛知県予選の会場として使用されていました(現在は熱田神宮公園野球場)。
その後、球場の老朽化により、ナゴヤドームが完成(1997年2月)したことによって、一軍公式戦での使用は1996年10月6日のドラゴンズ対ジャイアンツ最終戦を持って、こちらも試合終了になりました。
1998年に外野側の照明塔が撤去、オフにはナゴヤドームのグラウンド規格に合わせて外野スタンド前列を削りグラウンドを拡張しました。
2000年にはレフト外野席が完全に解体されました。
2001年には内野二階席、三塁側内野席一部と内野照明塔が取り壊され、レフト外野席跡地には選手寮と室内練習場が立てられました。また、バックネット裏スタンド後方に「ナゴヤ球場神社」が設けられました。
2009年に文化庁から登録有形文化財への登録を打診されたが、自由な改修や改築が不可能になることもあって固辞したそうです。
2009年9月20日~2010年4月下旬まで、耐震補強を目的に内野スタンド(正面入り口、バックネット裏内野スタンド、球場事務室など)を改修し、一塁側内野スタンド上段部およびライト側外野スタンドは撤去されました。
そして、施設の近い三塁側をホームチーム、一塁側をビジターチームのベンチに変更し、スタンドには新たに車椅子での観戦エリアが8席分確保され、車椅子対応の多目的トイレやベビールームも設置しました。
これをみますと、前回試合を観に来たのは2009年以前だったのが思い出されます。
改修以前は正面入り口からまっすぐに階段があって、そのまま客席に向かうようになっていたが、左右の階段で上っていくようになっていました。また、売店も階段手前から階段を上がった通路に移転していました。
2010年9月にファウルグラウンドにナゴヤドームで使っていた人工芝を全面に敷きました。
2011年にはボールカウントを「SBO」方式から国際標準の「BSO」方式に変更しました。
そして、2012年3月にはスコアボードを全面改修して、現在に至っています。
でも、グラウンドを見渡せば、一・三塁塁側内野席、見晴らしの良くなった三塁側スタンドの奥に見える新幹線など、見た目は変わっても雰囲気は当時のまま。
この球場でドラゴンズの伝統を引き継いでいく若竜たちの将来の活躍を願ってやみません。