秋山翔吾選手(埼玉西武ライオンズ)と柳田悠岐選手(福岡ソフトバンクホークス)。
高打率での首位打者争いをしており、どちらがタイトルを取るのか、はたまた直接対決での敬遠合戦が起こるのか、どういう結末が待っているのかは判りません。
柳田選手といえば、豪快なフルスイング(「マンぶり」と言うそうです)で、いかにも強打者、一方の秋山選手はシュアなバッティングで、中距離ヒッターの好打者とタイプの違う二人が争っているのですから、さらに面白いです。
二人とも右足を上げてタイミングを取るスタイルを取っています。
柳田選手は基本的には上げた足を一回ためる間を作ってから、バットを振り切ります。ただ、タイミングによっては、すり足に近いステップをすることもあります。
秋山選手は上げた足を、そこからさらに前に運び、間をしっかりとってから、スイングします。基本的にはどのタイミングでも、スタイルは変わりません。間が変わるくらいです。
だからと言って、このマネをすれば誰もが3割6分の打率が残せるのかというと、そうは問屋は卸しません。柳田選手、秋山選手だからこその結果です。
山田哲人選手と川端慎吾選手のセ・リーグ首位打者争いも見ものです。
山田選手も足を大きく上げて、ステップして打つバッターで、ピッチャーのモーションに合わせて、まず左ヒザをまっすぐ持ち上げるようにして、そのトップの位置から、何かを蹴るようにいったん足首を体の前方へ振ってから、ピッチャー側へ着地させています。この「前へ蹴り上げる」ような動きで間をとっています。
山田選手と首位打者を争っている同僚の川端選手も同じような動きです。川端選手も足を上げたときに前方に蹴るような動きを入れてから着地しています。
山田選手も川端選手もタイプ的には好打者の部類かなと思います。
そして、スワローズには川端選手、山田選手の後を打つ畠山和洋選手は独特のステップで豪快に振り切り、雄平選手も小柄な身体ながら、思い切りのいいフルスイングです。この2人は強打者の部類かなと思います。
偶然かどうかは判りませんが、現在セ・パを代表する強打者・好打者が足を大きく上げて、間をとる形のステップで成功しています。
見ていて、どの選手にも言えることは、、足を上げてステップする間、上体はステップする前の位置で止まっています。要は上体がブレないから、速球も変化球も強く振ることが出来ていることです。
特に飛ばないボールの中で、これだけ力強い打球を飛ばすことが出来るのは、しっかり軸足に体重が乗って、身体が前に出ていかないことで、ストレート待ちで変化球が来ても、前に突っ込まずに、強い打球が打てているのだと思います。
足を上げて…とすぐに思い浮かべるのは、王貞治さん(元読売ジャイアンツ)とイチロー選手(マイアミ・マーリンズ)です。
一本足打法の王さんはホームラン864本のとおり強打者、振り子打法で日米通算4000安打に近づいているイチロー選手は好打者。
偶然でしょうか、強打者にしても好打者にしても日本では足を上げる選手が成功しています。
ここには挙げていませんがサンフランシスコ・ジャイアンツの青木宣親選手、読売ジャイアンツの坂本勇人選手も同様です。
投球に対して、ごく自然にスッと足を上げて、スッと着地してスイングする。
意識的に足を上げて間を測るのではなく、無意識に近い感覚で、スッとステップする。
今の日本プロ野球のトレンドかも知れません。