「わが道は ラーメンを食べることと見つけたり」
by 大崎裕史 (ラーメン評論家)
和歌山市を中心にしたラーメンです。
その昔、1998年元日に放映されたTVチャンピオン「日本一うまいラーメン決定戦」で和歌山市の井出商店が優勝し、新横浜ラーメン博物館に臨時出店して、1日平均893杯を売り上げて大成功を収めたことで、一大ブームになったことで記憶にある方もいると思います。
その歴史は古く、1933年(昭和8年)に中華そばの屋台があったと言われています。
和歌山ラーメンには大きく分けて、「醤油ベースの豚骨醤油味」と「豚骨ベースの豚骨醤油味」の2つの系統があり、醤油ベースが「車庫前系」、豚骨ベースが「井出系」と呼ばれてします。
一番の特徴はスープのベースになる豚骨を醤油で煮込んでから使うこと。これは冷蔵庫がまだない頃に、豚骨を長持ちさせることから始まったそうです。
麺は縮れのないストレートの細麺。具はネギ、メンマ、チャーシューなどで、一番の特徴は蒲鉾が入っていることです。
ただ、2000年を過ぎたあたりからブームが沈静化。
それはまがい物と言われた、名ばかりの和歌山中華そばが蔓延したせいだと言われています。
実は私も一度だけ東京にあった和歌山中華そばのお店に入ったのですが・・・
場所的になかなか行くことのできない和歌山ですが、一度はその歴史のある中華そばを食してみたいです。
また、この2種類の範ちゅうには入らない、新興勢力のラーメン店も和歌山には増えてきており、まさに和歌山ラーメンの群雄割拠の時代とでもいうのでしょうか。
そして再び、天下一を獲りに行く時が来ることを期待しています。