西東京といえば、早稲田実高、東海大菅生高など激戦の地区です。近年は八王子学園高や公立高などの勢力も力を付けて来ていますが、その中で、今年も勝ち抜いてきたのが、甲子園優勝3回を誇る日大三高です。
日大三高といえば、その練習量と激しさから、高校野球界に広く知れわった「冬の強化合宿」があります。
2月中旬、野球部の合宿所に部員全員が集められます。
翌日から始まる2週間の強化合宿を前に、小倉全由監督が気合いをいれます。
「きついのはきついの。でも絶対に、下を向いている選手の集まりじゃ駄目。今年(2017年)、秋に決勝で負けて一番悔しい思いをしているのは、みんな自分でわかるんだから、去年以上にやらないと」
部員たちにとって伝統の冬合宿は、期待と不安が入り混じるものです。
冬合宿の練習は早朝、日の出前から始まります。校舎の周り1kmを制限時間内に走るランニング、何度も繰り返します。
スクワットや綱登り、ゴム跳びなど、16種類の筋力トレーニング。春に向けて、選手たちを一から鍛え直します。一日の練習の仕上げは素振り。500回以上も振り続けます。
夜9時。ようやく長い1日が終わります。
チームを率いて、今年で20年目を迎える小倉監督も日大三高のOBです。
3年間、控え選手としてチームを裏方で支えました。大学卒業後、指導者の道へ。母校を2度の甲子園優勝に導きました。
小倉監督が冬合宿で大切にしている練習があります。
部員1人1人と向き合う「ノック」です。毎日2時間、およそ500球のボールを打ち続けます。
「自分は『練習はうそをつかない』という言葉が大好きで、グラウンドで一生懸命にやっている選手は好きなんです。今の子どもは根性がない、頑張りがきかないと、簡単に大人が言い過ぎちゃうと思う。でも、その中で教えてさえやれば、挑戦的な自分に変わってくる。2週間の中で自分の成長を自分が一番感じるんじゃないかと思う」
冬合宿の一番の楽しみは練習後のお風呂。小倉監督も選手と一緒に汗を流すそうです。
選手「お父さんみたい、やさしい」
監督「たまには彼女いるのかとか、そんな話しもしますけどね」
最終日前日。
小倉監督が部員たちの成長を感じる出来事がありました。雨にもかかわらず、グラウンドで自主練習を行おうとしていたのです。
「いいから、しようがないだろ」
もっと野球がうまくなりたい。純粋な気持ちが芽生えていました。
「いいよ、きょうはしようがない。お前らやりたいって言ってもこれじゃ駄目だ。けが人が出ちゃうから。お前らが雨の中でもやりたいっていう気持ちは、監督としたら一番うれしいけどさ。きょうは我慢してくれよ」
合宿最終日。
夜明け前、OBや保護者たちがグラウンドに集まってきます。選手たちの応援に駆けつけました。
OB「最後まで、きついなか頑張ることが、この先につながると思うので、頑張ってほしいです」
祖母「孫の応援に。涙が出てきちゃいます。真剣に取り組んでいる姿は本当に」
そして14日間、1人の脱落者も出さずにやり遂げた冬合宿が終わります。
「お前ら歯を食いしばって、よく頑張った、本当に。スタートの時の苦しい、不安に思っていたのを、きょう、最後にこうやって自分で乗り越えて、自分で達成感をつくっていくんだ。まずは、今の気持ちを絶対に忘れるな。やりきったっていう気持ちを忘れないで」
第2試合
折尾愛真 1 0 0 0 0 0 0 2 0|3
日大三 7 1 3 0 2 0 3 0 x|16
(画像は画面キャプチャ)
この暑い中、選手だけではなく、審判も大変です。この試合、7回終了時に主審の右足がつり、8回から交代するということがありました。病院で軽度の熱中症と診断され、大事には至らずに良かったと思います。また、7回終了時には両チームに対して水分補給を促す休憩タイムをありました。熱中症対策として今大会定めた「大会本部の判断で試合中、給水・休憩のため時間を取ることができることとする」という運用が、はじめて適用されています。
第1試合 一回戦
木更津総合 0 0 0 1 0 6 0 3 0|10
敦賀気比 0 0 0 0 0 1 0 0 0|1
また一人、将来性有望なピッチャーが出てきました。東千葉・木更津総合高の2番手で登板した二年生・根本太一選手が、8回2アウト二・三塁からマウンドへ上がり、初球にいきなり148km/h。2球目に149km/hをマークし、甲子園をどよめかしました。
第3試合
奈良大付 1 0 0 0 2 0 0 1 0|4
羽黒 0 0 0 0 1 0 0 0 0|1
さて、自由民主党の石破茂元幹事長は昨日(8月10日)午後、国会内で記者会見し、「直面する大きな課題に対応するため日本の設計図を書き換えていかないといけない」と9月の党総裁選への立候補を表明しました。
今日の第1試合に出場する鳥取・鳥取城北高が甲子園を勝ちまくって、石破氏への追い風になるか注目の第一戦です。