2015 WBSC プレミア12 トウキョウ・ファイナルズの最終日は3位決定戦と決勝戦が一枚のチケットになっているセット販売です。3位決定戦が13時試合開始予定、決勝戦が19時試合開始予定の長期戦の一日です。
日本代表が3位決定戦に出場となったことと、前日の米国代表 vs. メキシコ代表の観客席の様子を見て、どのくらいの観客がいて、どのくらい盛り上がるのかが心配でした。特に外野席は日本代表の決勝戦進出を信じて購入していたようなものですから。それでも、流石に3位決定戦の試合ほどではありませんでしたが、ナゴヤドームでの中日ドラゴンズ vs. 横浜DeNAベイスターズよりも観客数は多かったように思えます。
鳴り物付きの応援はないものの、韓国代表への手拍子、声援は大きかったです。「あれ? 3位決定戦にもいたの?(笑)」という感じです。私らの席の周りも気のせいか、3位決定戦とは顔ぶれが違っているようにも思えました。謎です。
さて、試合の方は韓国代表が米国代表に8対0で大勝し、初代王者に輝やいています。戦力的に見れば、国を挙げてのトップ選手を選出した韓国チームの方が上回っていますので、ある程度予想された結果ではありますが。
MVPは今大会8試合で11安打、打率3割、13打点を記録したキム・ヒョンス選手でした。ホームランはなかったものの、決定的な瞬間で2ベース以上の長打を放ち、チームに大きく貢献したところが評価されました。
MVPキム・ヒョンス選手は良い選手ですが、私はその前の二番を打っていたイ・ヨンギュ選手が一番気になりました。あの、日本代表との準決勝戦での「疑惑のデッドボール」の選手です。
3回に先頭バッターでフォアボールで出塁し、キム・ヒョンス選手の2ベースで一塁から長躯ホームインした走塁テクニックとスピード。打球がフェンスに当たったときには、既に三塁手前まで来ていました。また、四回でもデッドボールで満塁の一塁ランナーとして出塁した時も、 キム・ヒョンス選手の2ベースで三塁を回るところまでの到達スピードは目を見張るものがありました。
このイ・ヨンギュ選手ですが、こう書くと「ああ、あの選手か」と思い出される方は多いのではないでしょうか。
2008年の北京オリンピック。
準決勝の日本代表戦で最後のアウトになるライトフライのボールをグローブに収めて、そのままひざまずくシーンを見せた選手です。
2009年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。
第1ラウンドは控え要員でしたが、第2ラウンドから一番センターで出場し、準決勝進出をかけた三度目の日本代表との対戦では、初回にダルビッシュ有選手(現;テキサス・レンジャース)からヒットをうち、空かさず二盗を成功させ、その後、韓国が3点を先制する足掛かりを付けています。
第2ラウンド1位決定戦では、内海哲也選手(読売ジャイアンツ)から頭部にデッドボールを受けて昏倒し、そのまま途中退場になっています。
決勝戦では二盗を試みましたが、今度は中島裕之(現; オリックス・バファロー)の膝にぶつかりヘルメットが欠け、盗塁も失敗しています。試合後のセレモニーのメダル授賞式の時、他の選手たちと違い、銀メダルを首にかけなかった選手です。
少なからずも、日本代表とは因縁深い選手です。
それでも、イ・ヨンギュ選手は体格やプレースタイルなどは、日本代表の青木宣親選手(現在はフリーエージェント)とかなり類似しており、イ・ヨンギュ選も青木選手のことを「意識している」「彼を目標としている」などとコメントしています。