ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)とは、労働災害における経験則の一つで、1件の重大事故の背後には29件のかすり傷程度の軽微な事故があり、さらにその背景には300件ものケガにはならなかった異常が存在するというものです。
この法則はアメリカの損害保険会社にて技術・調査部の副部長をしていたハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ(1886年~1962年)が1929年11月に、労働災害の発生確率を分析した結果を論文として発表したもので、ハインリッヒの法則と呼ばれています。
この大本の背景にある300の出来事は大事に至らなかったため、“のど元過ぎれば熱さを忘れる”ではありませんが、どんどんと忘れ去ってしまいます。
正直なところ完全な気の緩みが原因であるとも言えるのです。
野球でもそうですよね。
たまたま結果的にアウトになってはいるが、危なっかしい守備が続いていたりする。そのうち、大事な場面で、試合を決定づけてしまうような大きなミスをしでかす。だからこそ、ひとつのプレーごとに声がかかり、注意すべきところは注意されるのです。
それを、また“いつのものこと”という感じで聞き流しているようでは、その後の結果が変わってきてしまいます。
万が一、ミスしてしまったときのことを考えて、メンバーがカバーリングしておくことです。これは万が一が起きてから動くのでは遅く、常にカバーリングが出来るように動いていることが重要になります。ミスが起きることを前提とした対応が小さなミスを小さなミスのままに終わらせ、大きなミスにならないようにさせると考えます。
ただし、何よりも大切なことはハインリッヒの法則で言うところの300の何事もなかったことの間にその潜在的危険を見つけ出し、排除しておくことです。そのために、まずは自覚することです。注意されたことに対して、自分で自覚し、修正することです。これが第一の予防措置です。
別にこの法則は、その発生する確率的数字の大小に関係なく、世の中でのいろんなこと、日常生活にも当てはまるのではないかと考えます。
特に物事に慣れていた時や物事に取り組むときの甘い考えなどから発生するものです。
あとから悔やむよりも、まずは日々の生活の送り方を謙虚に過ごすことでしょうね。