気のせいか、2022年末のサッカー・ワールドカップよりも事前のスポーツニュースなどでの取り上げが多いような気がするのが、3月に開幕する野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。
海外ではどのくらい盛り上がっているのかわかりませんが、日本国内のメディアなどでは大いに盛り上げています(地上波放送があるのも要因でしょう)。
以前は国際野球連盟(IBAF)が主催していた野球の「IBAFワールドカップ(Baseball World Cup)」が1938年~2011年まで開催されていました。1994年までは出場選手がアマチュア選手限定で、1998年大会からプロ選手が参加できることになったのですが、野球強豪国の米国や日本のトッププロ選手が参加することはほとんどなく、事実上のアマチュア世界一決定戦でした。
IBAFによる世界規模の野球大会は、ほかにも1973年創設のIBAFインターコンチネンタルカップ、そして1992年のバルセロナ大会から始まった夏季オリンピックの3つがありました。しかし、オリンピックでは競技人口が少なく、メジャーな競技でないなどの理由によって、2008年の北京大会を最後に実施種目から外さました。
また、メジャーリーグベースボール(MLB)主導のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が2006年に創設されたことから、国際大会の再編成され、IBAFワールドカップは2011年大会を最後に廃止、WBCが正式にナショナルチーム世界一決定戦として認定されることになりました。ただ、ややこしいことに、WBCとは別に2015年から「世界野球ソフトボール連盟(WBSC)」主催の世界大会「WBSCプレミア12」も開催されています。
野球はややこしいのですよね。
サッカー・ワールドカップの主催者は国際サッカー連盟(FIFA)。211の国と地域が加盟しており、プロとアマチュア、また男子と女子を問わずすべてのサッカークラブ、リーグ、連盟を統括しています。ですから、FIFAが主催するワールドカップはかっかー界にとっては最高の国際大会になるのです。
一方でWBCは主催者がMLBとMLB選手会。MLBは米国とカナダで行われているプロ野球を主催、運営する団体であり、MLB選手会はそこでプレーする団体です。つまり世界的に見ますと、「(ローカルな)米国のプロ野球リーグが、世界大会を主催、運営」しています。たとえるならば、Jリーグがワールドカップを主催しているとも言えます。
また、国際的にはWBSCが主催しているプレミア12が権威的にはあるのですが、こちらはトッププロが参加していなかったりします。つまり、世界的に見ますと、「(ローカルな)日本のプロレス団体が、世界王座と名前の付いた選手権大会を主催、運営」しているに近いようなものです(なんかちょっと違うかも)。
オリンピックに対してはサッカーと野球は限定的な協力になっています。サッカーは1908年に公式競技となっていますが、ワールドカップが優先するため1992年から23歳以下(U-23)の大会となっています。野球は1992年に公式競技となったのですが、MLBは選手を派遣せず、マイナーリーグの選手中心の編成。しかも、2021年の東京大会では競技が行われましたが、競技人口が少ないことなどからも2024年のパリ大会以降は競技からは外れています。
日本はNPB各球団の主力級を集め、(国の威信をかけて?)大会に臨んだ第1回、第2回と2大会連続で世界一。一方でMLBに人材を送り込んでいる米国、ドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコなどはオールスターメンバーとは違っていたりしました。ところが、第3回以降、米国やドミニカ共和国などは主力級選手が出場してくるようになると、日本は第3回、第4回とベスト4に終わってしまっています。
そして、今大会では米国は現役最高の選手と言われ、大谷翔平選手の同僚でもあるマイク・トラウト選手(ロサンゼルス・エンゼルス)がキャプテンを務め、2022年のナショナル・リーグMVPのポール・ゴールドシュミット選手(セントルイス・カージナルス)、ムーキー・ベッツ選手(ロサンゼルス・ドジャース)、アダム・オッタビーノ選手(ニューヨーク・メッツ)など史上最強軍団が編成されてます。
また、ドミニカ共和国も2022年のナショナル・リーグ、サイ・ヤング賞投手のサンディ・アルカンタラ選手をはじめ、ゲレーロJr.選手(ブルージェイズ)、フアン・ソト選手(マリナーズ)など、こちらも史上最強と言われています。
一方で日本は世界一奪還に気合が入っており、MLBからダルビッシュ有選手(サンディエゴ・パドレス)、二刀流の大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)2年連続沢村賞の山本由伸選手(オリックス・バファローズ)、完全試合の佐々木朗希選手(千葉ロッテマリーンズ)の投手陣をはじめ、2022年三冠王の村上宗隆選手(東京ヤクルトスワローズ)、パシフィック・リーグのホームラン王の山川穂高選手(埼玉西武ライオンズ)、MLBからはた吉田正尚選手(ボストン・レッドソックス)と、お母さんが日本人のラーズ・ヌートバー選手(セントルイス・カージナルス)とこちらも史上最強でしょう。
さらに、日本戦には並々ならぬ対抗心を燃やす韓国、台湾もいます。
さてさて、第1回、第2回大会を制したときのイチローさんや松坂大輔さんの姿を子どものころに見て憧れた選手たちの日本代表。そのワクワクした気持ちを、今度は次の世代へとつなげていってほしいと思います。
第5回WBC出場国
プールA:台湾、オランダ、キューバ、イタリア、パナマ
プールB:日本、韓国、オーストラリア、中国、チェコ
プールC:米国、メキシコ、コロンビア、カナダ、英国
プールD:プエルトリコ、ベネズエラ、ドミニカ共和国、イスラエル、ニカラグア
大会日程
1次ラウンド:3月8日~15日
日本代表試合
3月9日:中国(19時)
3月10日:韓国(19時)
3月11日:チェコ(19時)
3月12日:オーストラリア(19時)
2次(準々決勝)ラウンド:3月15日~16日(東京ドーム)、17日~18日(米国)
準決勝:3月19日~20日(米国)
決勝:3月21日(米国)
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さまにとって、今日という日が昨日よりも特別ないい日でありますようにお祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。
海外ではどのくらい盛り上がっているのかわかりませんが、日本国内のメディアなどでは大いに盛り上げています(地上波放送があるのも要因でしょう)。
以前は国際野球連盟(IBAF)が主催していた野球の「IBAFワールドカップ(Baseball World Cup)」が1938年~2011年まで開催されていました。1994年までは出場選手がアマチュア選手限定で、1998年大会からプロ選手が参加できることになったのですが、野球強豪国の米国や日本のトッププロ選手が参加することはほとんどなく、事実上のアマチュア世界一決定戦でした。
IBAFによる世界規模の野球大会は、ほかにも1973年創設のIBAFインターコンチネンタルカップ、そして1992年のバルセロナ大会から始まった夏季オリンピックの3つがありました。しかし、オリンピックでは競技人口が少なく、メジャーな競技でないなどの理由によって、2008年の北京大会を最後に実施種目から外さました。
また、メジャーリーグベースボール(MLB)主導のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が2006年に創設されたことから、国際大会の再編成され、IBAFワールドカップは2011年大会を最後に廃止、WBCが正式にナショナルチーム世界一決定戦として認定されることになりました。ただ、ややこしいことに、WBCとは別に2015年から「世界野球ソフトボール連盟(WBSC)」主催の世界大会「WBSCプレミア12」も開催されています。
野球はややこしいのですよね。
サッカー・ワールドカップの主催者は国際サッカー連盟(FIFA)。211の国と地域が加盟しており、プロとアマチュア、また男子と女子を問わずすべてのサッカークラブ、リーグ、連盟を統括しています。ですから、FIFAが主催するワールドカップはかっかー界にとっては最高の国際大会になるのです。
一方でWBCは主催者がMLBとMLB選手会。MLBは米国とカナダで行われているプロ野球を主催、運営する団体であり、MLB選手会はそこでプレーする団体です。つまり世界的に見ますと、「(ローカルな)米国のプロ野球リーグが、世界大会を主催、運営」しています。たとえるならば、Jリーグがワールドカップを主催しているとも言えます。
また、国際的にはWBSCが主催しているプレミア12が権威的にはあるのですが、こちらはトッププロが参加していなかったりします。つまり、世界的に見ますと、「(ローカルな)日本のプロレス団体が、世界王座と名前の付いた選手権大会を主催、運営」しているに近いようなものです(なんかちょっと違うかも)。
オリンピックに対してはサッカーと野球は限定的な協力になっています。サッカーは1908年に公式競技となっていますが、ワールドカップが優先するため1992年から23歳以下(U-23)の大会となっています。野球は1992年に公式競技となったのですが、MLBは選手を派遣せず、マイナーリーグの選手中心の編成。しかも、2021年の東京大会では競技が行われましたが、競技人口が少ないことなどからも2024年のパリ大会以降は競技からは外れています。
日本はNPB各球団の主力級を集め、(国の威信をかけて?)大会に臨んだ第1回、第2回と2大会連続で世界一。一方でMLBに人材を送り込んでいる米国、ドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコなどはオールスターメンバーとは違っていたりしました。ところが、第3回以降、米国やドミニカ共和国などは主力級選手が出場してくるようになると、日本は第3回、第4回とベスト4に終わってしまっています。
そして、今大会では米国は現役最高の選手と言われ、大谷翔平選手の同僚でもあるマイク・トラウト選手(ロサンゼルス・エンゼルス)がキャプテンを務め、2022年のナショナル・リーグMVPのポール・ゴールドシュミット選手(セントルイス・カージナルス)、ムーキー・ベッツ選手(ロサンゼルス・ドジャース)、アダム・オッタビーノ選手(ニューヨーク・メッツ)など史上最強軍団が編成されてます。
また、ドミニカ共和国も2022年のナショナル・リーグ、サイ・ヤング賞投手のサンディ・アルカンタラ選手をはじめ、ゲレーロJr.選手(ブルージェイズ)、フアン・ソト選手(マリナーズ)など、こちらも史上最強と言われています。
一方で日本は世界一奪還に気合が入っており、MLBからダルビッシュ有選手(サンディエゴ・パドレス)、二刀流の大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)2年連続沢村賞の山本由伸選手(オリックス・バファローズ)、完全試合の佐々木朗希選手(千葉ロッテマリーンズ)の投手陣をはじめ、2022年三冠王の村上宗隆選手(東京ヤクルトスワローズ)、パシフィック・リーグのホームラン王の山川穂高選手(埼玉西武ライオンズ)、MLBからはた吉田正尚選手(ボストン・レッドソックス)と、お母さんが日本人のラーズ・ヌートバー選手(セントルイス・カージナルス)とこちらも史上最強でしょう。
さらに、日本戦には並々ならぬ対抗心を燃やす韓国、台湾もいます。
さてさて、第1回、第2回大会を制したときのイチローさんや松坂大輔さんの姿を子どものころに見て憧れた選手たちの日本代表。そのワクワクした気持ちを、今度は次の世代へとつなげていってほしいと思います。
第5回WBC出場国
プールA:台湾、オランダ、キューバ、イタリア、パナマ
プールB:日本、韓国、オーストラリア、中国、チェコ
プールC:米国、メキシコ、コロンビア、カナダ、英国
プールD:プエルトリコ、ベネズエラ、ドミニカ共和国、イスラエル、ニカラグア
大会日程
1次ラウンド:3月8日~15日
日本代表試合
3月9日:中国(19時)
3月10日:韓国(19時)
3月11日:チェコ(19時)
3月12日:オーストラリア(19時)
2次(準々決勝)ラウンド:3月15日~16日(東京ドーム)、17日~18日(米国)
準決勝:3月19日~20日(米国)
決勝:3月21日(米国)
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さまにとって、今日という日が昨日よりも特別ないい日でありますようにお祈りいたしております。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。