先日、小さなニュースであり、あまり気にしない人が多かったかも知れませんが、一つのニュースが話題になりました。神奈川県横浜市が市民向けのアンケートで聞いたものです。
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「努力すれば報われる社会か」を尋ねたところ、肯定的な見方は15.2%で、バブル景気にわいた28年前の88年度に行われた調査と比べて39ポイントも減少し、意識の大きな変化がうかがわれた。
出典 : 「努力報われる」バブル時代から39%減少 毎日新聞 2016年9月17日
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これは努力をすれば報われると思っている人が、昔と比べて大幅に減っているというものになります。
人は成長して行く中で、現実を目の前にすれば、自分の立ち位置を自分で決めてしまうことがあると思う。「いくら頑張っても、あいつにはかなわない」「いくら努力しても、夢には届かない」という状況を考えれば理解も出来ますが、努力に意味が無いと決めつけてしまうのは早すぎないでしょうか。
成功した人のほとんどは努力をしている。だから、「努力は必ず報われる」という言い方は成功した本人にとっては正しいものです。しかし、「成功してるからそんなことを言えるんだ」という考え方もあります。でも、実際の世の中には努力が報われた人より努力が報われなかった人の方が、おそらくたくさんいると思います。
つまり「努力は報われる」、「努力は報われない」はどちらも正しい。結果的な立場の違いだけのことになってしまいます。
それではどうすれば良いんだということになるのですが、「成功したければ努力をするしかない」という以外の答えにはなりません。たとえ、それが結果的に報われなくてもです。
「努力しても報われないことがあるだろうか。たとえ結果に結びつかなくても、努力したということが必ずや生きてくるのではないだろうか。それでも報われないとしたら、それはまだ、努力とはいえないのではないだろうか」
これは、現・福岡ソフトバンクホークス副社長の王貞治さんが自身の著書「王貞治―回想」で書いた言葉です。
報われない努力が、まだ努力とはいえないのであれば、確かに努力は必ず報われることになります。報われていないうちは、どれだけ努力したと思っていても、まだまだ頑張りが足りないという事です。
これも、成功者の言葉と言えばそうですが、王さんは高校受験で志望校に入れず、高校三年最後の夏の甲子園に出られなかった、プロではピッチャーからバッターに転向させられた、長期間のスランプや打撃フォームの改造という挫折を味わいながら、その度にひた向きな努力で偉大な結果を残しました。
「練習は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ」
これはMLBテキサス・レンジャースのダルビッシュ有選手のツイッター上で何千回とリツイートされた名言です。
高校時代は練習嫌いと言われていました。しかし、それは全体練習の中で見せていた姿であり、実際はどれもいなくなってから練習を積み重ねていたと言う話です。努力は人に見せるものではないと思いますが、そこまで言われてても自分を貫きとおした強さを感じます。
「練習は嘘をつかない」という言葉だけを信じていると、ただ単に「練習しさえすればいい」ということになりがちです。その練習の目的、その先にある目標は何かを常に意識して、考えて練習している人と、ただ単に練習に参加している人とでは結果も異なってくると思えます。
「そりゃ、僕だって勉強や野球の練習は嫌いですよ。誰だってそうじゃないですか。辛いし、大抵はつまらないことの繰り返し。でも、僕は子どもの頃から、目標を持って努力するのが好きなんです。だってその努力が結果として出るのは嬉しいじゃないですか」
今年、日米通算安打4025本を超えた、マイアミ・マーリンズのイチロー選手の言葉です。
イチロー選手は天才ではないかと思うようなバッティング技術を持っています。しかし、イチロー選手は努力が一番大切だと思っているのです。努力をしなければ今の自分はいないと本人も思っていますし、口にもしています。
イチロー選手の身長こそ180cmほどの長身ですが、松井秀喜さん、田中将大選手やダルビッシュ有選手のように、恵まれた体格ではありません。それでも、長期間MLBで活躍し、過去の日本人メジャーガーの中ではずば抜けた実績を残して来ています。
イチロー選手は目標のために努力をしています。毎年、少しずつこの「目標設定」をする力が非常に優れていると言われています。あまりにもかけ離れている目標は立てず、達成できるかもしれない、努力すれば達成できるというレベルに目標を設定するそうです。
そうすることで、いつまでも頑張れるそうです。そして、その目標を達成するために必要なことが努力だとイチロー選手は考えています。こんな名言があります。
「夢や目標を達成するには、1つしか方法がない。小さなことを積み重ねること」
現在の自分の立ち位置は本当に今のままでいいのだろうか。でも、努力しても報われない。誰もが、そんな葛藤を持って生きていると思います。
でも、これだけは言えることだと思います。
努力に意味が無い、と考えている人は単純に成功体験が無いのだろうが、努力が無駄になったらもったいないと考えている限り成果は出ません。チャンスが回ってきたらその時に頑張ります、という人は一生成功出来ません。チャンスは準備が出来ている人にだけまわって来ます。
だから、現状に甘んじるのではなく、少しずつでも努力は続けた方が良いと思います。
まだまだ、自分で自分の立ち位置を決めてしまうには早すぎます。
夢は手を伸ばした1mm先にあるかも知れません。
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まっくろくろすけ
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