今年の第100回目の選手権大会第7日目となる8月11日の第1試合で京都･龍谷大平安高が鳥取･鳥取城北高に勝利し、春夏甲子園合わせて史上2校目となる通算100勝を達成しました。龍谷大平安高は選手権は今回が34回目の出場、選抜大会は40回出場しており、通算74回目の出場で100勝となりました。
これを単純計算しますと、1大会で1.35勝をとなります。案外少ないと思うかも知れませんが、3年で全選手が入れ替わる高校野球ですから、戦力を保つことは難しくこともあり、逆に優勝4回(春1回・夏3回)、準優勝4回(夏4回)と全国の上位を常に争ってきたからこそ到達できたともいえるでしょう。
(画像は画面キャプチャ)
ちなみに、龍谷大平安高の甲子園初勝利は1927年の第13回選手権大会になります。この時、初出場だった当時の平安中が台湾･台北商に5-3で勝利しています。なお、台湾だけでなく、朝鮮や満州の代表は1940年の第26回大会まで甲子園に出場していました。
甲子園通算勝利数では龍谷大平安高の100勝は歴代2位です。1位は愛知の名門校の中京大中京の133勝(春55勝･夏78勝)です。3位には1980年代から2000年代にかけて圧倒的な強さを誇った大阪･PL学園高の96勝です。
1位 通算133勝 愛知･中京大中京高 春55勝 夏78勝
2位 通算101勝 京都･龍谷大平安高 春40勝 夏61勝
3位 通算 96勝 大阪･ＰＬ学園高 春48勝 夏48勝
4位 通算 87勝 岐阜･県岐阜商高 春48勝 夏39勝
5位 通算 80勝 愛媛･松山商高 春20勝 夏60勝
6位 通算 75勝 奈良･天理高 春27勝 夏48勝
7位 通算 71勝 広島･広陵高 春37勝 夏34勝
8位 通算 70勝 愛知･東邦高 春51勝 夏19勝
9位 通算 66勝 東京･早稲田実高 春23勝 夏43勝
10位 通算 62勝 広島･広島商高 春19勝 夏43勝
4位以下には岐阜･県立岐阜商高、愛媛･松山商高、奈良･天理高と昔からの強豪校が名を連ねています。
近年、強豪校と呼ばれている大阪･大阪桐蔭高や神奈川･横浜高、埼玉･花咲徳栄高は、まだ、ベスト10にも入っていないどころか、100勝まではまだまだ数字上の道のりは遠いです。
通算62勝 大阪･大阪桐蔭高 春26勝 夏36勝
通算58勝 神奈川･横浜高 春23勝 夏35勝
通算15勝 埼玉･花咲徳栄高 春 3勝 夏12勝
こんなことを考えますと、甲子園100勝と言うのは伝統もあってのことなのです。また、厳しい地方大会を勝ち上がらなければなりません。
ところで、基本的には選抜は32校、選手権は49校が出場します。両大会ともトーナメント方式がとられるため、選抜は最大5勝、選手権は最大6勝、1年間で最大11勝しかできません。最短でも10年20季連続優勝しなければ届きません。選手が入れ替わることを考えると、いかに大変な事であるかが、よく判ると思います。
現在、100勝に一番近いのは96勝のPL学園高ですが、休部中であり、再活動の予定がありません。よって、県立岐阜商の87勝となりましが、それでも2年後の2020年に開催され選抜大会が最短での達成となります。ただ、選抜は2015年、選手権は2012年以来、出場していません。まずは、岐阜大会を勝ち上がらなければ、史上3校目の100勝の達成はできません。
甲子園100勝。
簡単に言いますが、高校野球の長い歴史の中でも、まだ、2校。立派な記録です。
