一昔ならば「このくらい」と思われたようなものが、最近では何かと厳しい世の中になって来ました。これも時代の流れと言うものでしょう。
現代社会は「炎上時代」と言っても良いかも知れません。何かあれば、誰かから、どこかしらから、異論・反論が飛び出してきます。
私は自称アントニオ猪木議員並みの平和主義者ですから、こうして書いている間も誰かの気分を害することがないように、言葉を選んで書いているのです。ですから、大変つまらない文章になってしまっています。
世の中には逆に故意に炎上させる手法で(恋が炎上してダメージを負った議員先生もいますが)、注目を浴びて名を売ることを狙った商法もあると思います。どこかの県知事は「話題にならないより炎上したほうがいい」と言ったようですが、話題づくりのために確信犯的に炎上させるのは、よほどのことがない限り危険でしょう。
それが、企業努力を宣伝し、イメージアップを図ってみようとした、TV番組でこともあろうか炎上してしまったのです。これは9月5日にテレビ東京系のドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」の放送で、上司が営業マンを説教するシーンが「パワハラ的」だとネット上で批判が出ました。
番組はキリンビールが、業界トップのアサヒビールを越えるために、大阪の営業マンを取り上げたものでした。
問題になったのは、先輩社員が営業マンに、会議の席で「2倍売るにはどうするんだ」などと迫り、その後の飲み会の席でも「お前、今のまま上に上がられたら、下の子が付いてこないでしょ。『俺できない、知らない、やだ』。そんなやつにリーダーやって欲しくない。お前、どれだけやっとんねん。やってないねん。やれや。できるやろ」と言い、営業マンが無言で、涙を流す姿まで放映されたシーンだそうです。なお、最後はみんな笑いながら、肩を組み、居酒屋を出ていくシーンも映し出されています。
こういう体育会系的な風景はテレビドラマなどでもよく見掛けるし、実際に、酒の席でこんな感じで部下に話しかけている上司もあることでしょう。ちょっと前までの日本ならば日常的な風景として問題にもならなかったでしょう。良い意味でとらえれば、流した涙も、熱い励ましに感激したものだと思えないこともありません。
しかし、ネット上では「一番搾りだろ、部下を絞ってどうすんだよ」(ビールだけに美味い!)というような声が出ました。
製作者とキリンビール側の意図としては、挫折を乗り越えて、問題を解決するという王道ストーリーを狙っての「涙」の場面だったと思うのですが、その意図は伝わらなかったということです。ちなみに、この営業マンは担当するスーパーに大きな売り場スペースを確保することに成功して、番組は終わっています。
問題があるとすれば、相手を泣かせるまで追い詰めてしまったところと、酒の場での説教というところでしょう。演出上のことかも知れませんが、こういうことは、社内できちんとコミュニケーションが取ることが大事であって、酒の力を借りなければ本音トークは出来ないという考え方は、時代錯誤のものとしてこの時代にはそぐわない演出だったのかも知れません。
さて、臨時国会初日の28日に衆議院が解散することになり、かの炎上議員は政界を引退するという正解を導き出したのが、浦和レッズ・サポーターではないでしょうか。ことの発端は、レッズとレッズ・サポーターを愚弄するかのようなツイートで炎上し、その挙げ句にサポーターとの直接対話の場を一方的に要求してきた炎上議員に対し、辞退したことです。
SNS上の炎上を利用し、いわゆる炎上商法によって政治的活動をしてきたように思え、相手の用意した舞台に上がることなく、また選挙を待たずに、ダメな政治家に断をくだしたのですから。ちなみに、姑息な手段を講じてくるめんどくさい相手に対しては、今回のように関わらないようにするのが得策なのですよね。
ちなみにな、当の炎上議員ですが、沈下もしていない中の7月18日にTwitterにて「よしっ、球児!」とツイート。Instagramでも同様の投稿を行い、そちらでは阪神タイガースの藤川球児選手の背番号をあしらったスポーツタオルの写真をアップしました。これに対し、タイガースファンと思われる方々から反発する意見が殺到。
「お前が阪神を語るな!!」
「頼むから阪神に近づかないでくれマジで」
「お前に阪神応援してほしくない」
「上西のせいで阪神の質が下がった」
「お前はもうスポーツ関係に関わるな」
「関わんな。 軽々しく球児言うな。おまえより何万倍も世の中の人に感動を与えたよ。球児は。おまえ何したん?」
と再び炎上。さすが、タイガースファンというのでしょうか。見事なツッコミです。
なお、コミュニケーションではどう感じるか、受け手に100%権利があるのです。